22話【鬼】 ページ23
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『荒瀧・天下第一・一斗?
娯楽小説に出てくる人物の名前みたい』
「本当は荒瀧一斗っていうんやで」
『荒瀧一斗…一斗くんか。うん、覚えた』
名前を反芻しうんうん、と頷く麗。
『名前も覚えたことなんで勝負をしたいところなんだけど、今は宵宮ちゃんと勝負してる?』
「おう! あと1戦で俺様の勝ちだ!」
「ウチが勝ったらウチの勝ちやろ!」
『最終試合ってことか』
「麗姉さんはどっちが勝つと思う?」
『うーん…内容によるけど…さっきまで何してたの?』
麗が子供たちに聞くとラーメンのスープ一気飲み、どちらが顔を変えず梅干しを食べれるかという勝負をしていたらしい。
子供らしい…と思いながら麗はうーん…と考える。
「最後の勝負なににしよか、麗ちゃん。
何かいいのあらへん?」
『んー、羽子板…は道具がいるもんね。
もっと単純なやつ……じゃんけん?』
「いいじゃんかぁ!ええなぁ」
「単純でいいな!」
いいんだ…と思いながら麗は2人の行く末を見届ける。
宵宮の「いいじゃんでほいっ!」という掛け声に2人は手を出す。
宵宮はグーを一斗はチョキを出した。
「いよっしゃー!ウチの勝ちー!」
「だああああ!負けちまった!」
『……ふふ』
「?どしたんや?麗ちゃん。おもろいことでもあった?」
『いや、なんだか昔の友だちを思い出しちゃってつい…』
ほんの一瞬、麗の目に映ったのは慣れないかるたで勝ち普段ならしない反応をする雷電影と残念そうにしかし嬉しそうな顔をしている御輿千代だった。
あの須臾の夢のような優しくて穏やかな日々が現在の風景とほんの少し重なり自然に笑みを零した麗。
『久しぶりに遊びたいな…』
「なら俺様と勝負だ!」
『でも何する?これより単純なのって言えば…腕相撲くらいだけど…』
「いいぜ!」
一斗はそこら辺にあった木箱をこちらに運び自身の右腕に麗に差し出す。
麗も右腕を一斗の方に伸ばし腕相撲の準備をする。
「じゃあ、ウチが審判するで。
よーい………はじめ!」
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一斗って書くの難しいですね
書いて実感した。
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時