2話【逃亡者】 ページ3
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鳴神神社へと向かう麗の前を1人の武士が颯爽と通り抜けた。
麗は一瞬不審に思い、振り返ると白い髪にひと房の赤い髪がなびいている少年が目に映る。
少年の手には輝きを失った神の目が握られていた。
麗が少年のあとを追いかけようとしたその時、ドタタと大勢の人間が地をふむ音が聞こえた。
またもや麗の横を誰かが通り過ぎる。
今度は見覚えのある服をきた者たちだった。
『…幕府武士…？』
あの黒に近い紫色の装束は幕府の武士が着る物だと麗は知っていた。
だから先程の少年がお尋ね者の可能性が高いと感じた。
しかし、麗は少年に興味が湧いた。会ってみたいと。
彼女は進路方向を変え、少年の残した元素を元素視覚で辿り始めた。
場所は変わり、荒海。
少年、楓原万葉はこの状況に切迫していた。
風の声を聞くままに逃げたのは良いものの天領奉行の者は万葉を永遠と追い続ける。
この状況をどう打破しようと考えたその刹那
『逃げたい？』
万葉の頭上から少女の声が降り注ぐ。
万葉がパッ、と顔を上げると桃色の瞳の少女、麗が万葉の顔を覗き込んでいた。
万葉は麗の登場に酷く動揺した。
万葉は生まれつき耳がよく、自然の声が聞こえる。
そんな彼が足音はおろか気配すら感じ取ることが出来なかった。
未知の体験に万葉は動揺しつつも身を固くし身構えた。
そんな彼の反応を気にもとめず麗はしゃべり続ける。
『幕府軍を撒くんだったら海祇島に行くといいよ。あそこはここよりは雷電将軍様の加護を受けない島だからきっと君の役に立つよ』
麗の有益な情報に万葉は目を見開き「どうしてそのようなこと」と言葉をこぼすと麗は優しく笑い万葉の手を引く。
『だって、君面白そうなんだもん』
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます！感想書いていただいて嬉しいです！伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください！ (2022年7月10日 23時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します！ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです！続編がますます楽しみになる作品ですね､､更新待ってます！ (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年7月4日 22時
