高校 2 ページ7
高2の秋だった。
真ちゃんの妹が、甲状腺癌という病気になった。
「真ちゃん……今日も、妹さんのところか?」
「ああ」
妹さんが入院している間、真ちゃんは毎日のように病院に通っていた。
俺も行ける日は、ついていっていた。
「俺も行く」
「……そうか」
リヤカーに真ちゃんを乗せ、病院に向けて漕ぐ。
甲状腺癌で死ぬことはほとんどない。
でももちろん、手術しないと転移する可能性はある。
妹さんは、明日__因みに土曜日だ__手術することが決まっていた。
「妹さん……無事に手術終わるといいな」
「そうだな。ところで高尾、明日は俺は練習に行かないのだよ」
「了解。大坪サンに伝えとくわ」
そりゃそうだよな。
だって、甲状腺癌の手術は……声が出なくなるかもしれないリスクを背負ってる。
そしてやってきた、手術の日。
俺は普段通り練習に行ったがイマイチ身が入らず宮地サンにどやされっぱなしだった。
真ちゃんの妹さんはいつも俺と仲良くしてくれていた。
絶対に、絶対に、助かってほしかった。
練習が終わると、俺は一目散にかけ出した。
真ちゃんと、その妹の元へ。
____無事じゃなかったら、ぶっ飛ばすからな、緑間!
なんとなく中学のときのことを思い出しながら、俺はひたすら走っていた。
ただただ夢中に、走っていた。
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りょーき(プロフ) - りくさん» ごめんなさい。見つけられなかったので、入らないかもしれません。 (2015年11月13日 23時) (レス) id: 6b0ee526d9 (このIDを非表示/違反報告)
りく - りょーきさんはるひのはいるんですか? (2015年11月13日 23時) (レス) id: 0d6fbfb7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょーき | 作成日時:2015年11月4日 23時