キドさん.01 ページ1
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「……なぁ、」
「何ですか、キドさん」
「…離れて、くれないか?」
少しばかり罪悪感を抱きながら俺は自らの腰に抱きついている
小動物のような少女をべりっと引き剥がした。
彼女は如月A。キサラギの双子の妹でなぜかとんでもなく懐かれてしまった。
そのため普段から俺にべったりとくっつくようになり、
同性だと分かっているのか……「好き」だの「結婚して下さい」だのと
小恥ずかしい言葉を毎日のように言われるようになってしまった。
「嫌だ」とか「無理だから」と言って拒んでしまえばいいのかもしれない。
だけど……
A「嫌ですよ、私キドさんのこと大好きですからっ!!」
キド「っ……//」
……俺はこの直球な言葉と穢れのない陽だまりのような笑顔に弱い。
同性だと分かっているのにきゅんっとしてしまう…。
そんなAには抗えず、俺よりも一回り小さいAの頭を撫でた。
こげ茶色の髪の毛はキサラギよりも短く、結っている場所も逆。
顔はキサラギとシンタローの中間、といった具合で目が大きく童顔。
それに合わせて身長はキサラギよりも低い完全ロリ体系……
そんなところも俺がAを拒むことのできない理由なのかもしれない。
A「えへへ//キドさん照れてくれたんですね、とってもかわいいですよっ」
キド「ばっ!!//…へ、へへ変なこと言うなっ///」
赤くなった頬を隠そうとしてフードを深く被ろうとすると
Aは「あっー!!!!」と大きな声を出した。
A「隠さないで下さい、キドさんの綺麗な顔が見れなくなっちゃいます」
何の企みもない純粋な瞳でそう言われ、思わず心臓がバクバクとなった。
とりあえず目を逸らして窓の方を見た。ああ、クソッ…恥ずかしい///
……なんでこいつは平気な顔でそんな小恥ずかしいセリフが言えるんだっ//
「天然か…」と思って「ああ、そういえばこいつ天然だったな」と頭を抱えたくなった。
ちょっとばかし頭が冷えてきたところでAが俺の服の裾を引っ張り、「キドさん、」と呼んだ。
背の小さいAを気遣って少し屈んで「何だ?」と尋ねると____
「っ……!!!??///」
額に柔らかい感触がして軽いリップ音が聞こえた。
A「ふふっ、やっとキドさんの綺麗な顔が見れました」
キド「っ〜〜〜〜〜!!!!///(声にならない叫び声)」
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みきゃん - キドかわえぇ (2015年6月27日 10時) (レス) id: 7ae9df8545 (このIDを非表示/違反報告)
しの@ヒビヤ腐(プロフ) - シンタロー可愛いよぉー! 更新頑張ってください! (2014年8月25日 15時) (レス) id: 84c67d5233 (このIDを非表示/違反報告)
日菜(プロフ) - キドMサイコーーー!!続き気になります!! (2014年8月19日 21時) (レス) id: 8e5862c2fd (このIDを非表示/違反報告)
ミカロン(プロフ) - キドM可愛いです!続きはあるんですか?気になります! (2014年8月5日 1時) (レス) id: 5967c721ce (このIDを非表示/違反報告)
陽南(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください!!!!!! (2014年5月3日 0時) (レス) id: b4fa45aabd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜音 | 作成日時:2013年9月21日 14時