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火神Side__________
それからしばらくして肝試しが始まり
案の定、怖がっている白川は俺の背中を追いかけるようについてきた。
明らかにお化けではない物音にも
白川「うわぁぁぁあああぁぁあっああ!?!」
と大声で驚いている。
大袈裟すぎんだろコイツ...
もう少し女らしい驚き方できねぇのかよ...
そう思ったが、今思えば飾らないこの性格が
惹かれた1つなのかもしれない。
_____
驚いた拍子に俺の腕をがっしりと掴んできた。
白川「えっ!!!!ちょっ..あっ!ごめん火神くん!本当ごめん!」
そう言って、徐に手を離した。
きっとこいつは、俺に迷惑をかけないように配慮した行動をしてる。
こんだけ怖がるくらい余裕がないのに、どこまで人のこと考えてんだよ。
そう思うと無意識に、また白川を守りたくなった。
「なら、俺の腕掴んどけよ。」
そんな言葉が出た俺はあまりにも自分らしくない自分に驚いたが、この時はよっぽど
白川のことを強く思っていたから出た言葉だったんだろう。
それからの肝試しは自然と会話が出来た。
他愛もない話ばかりだったが、正直ぜんぶ楽しかった。
俺のことを「意外だ」と言ってくる白川こそ
もっと「意外」な部分がある。
完璧に見えて、弱点が分かりやすかったり
女っぽい性格してるのかと思えば、サバサバしていたり
一緒にいると落ち着くのに、どこか苦しい気持ちになったり。
_______
それから肝試し中に借りたハンカチのお礼と称して
2人でクレープを食べに行った。
お礼だろうと何だろうと
白川と2人だけで居れる空間は、凄く嬉しかった。
ただ、その嬉しさの中に少しだけ緊張もあったことは否めない。
何でだよ、俺。
いつまで白川に対してこの変な意識があるんだよ。
白川「火神くん、買ってくれてありがとう!」
そう無邪気に笑う白川を
何よりも可愛いと思った。
そうだ、俺が白川に対していつまで経っても消えないこの
”変な意識”は
黒子のいう”恋”だ。
何故、黒子は俺よりも俺の気持ちに早く気付いた?
今まで女のことを好きになったことはない。
これからもきっと、縁のないことだと思っていた。
だが、それを変えたのは
白川Aだった______
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作者名:RIERU | 作成日時:2020年10月27日 9時