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「やっと着いた〜!」
学校に入るなり加恋がそんな声を漏らす。
あまり遠い距離ではないけど緊張していたせいか
とても長い道のりに思えた。
クラス表が貼りだされている校庭にはもう何百人もと新入生が集まり、ガヤガヤと賑っていた。
「よし!A!さっそくクラス見に行こ!」
「うん!」
どうか加恋と同じクラスでありますように。
それだけの思いを何よりも強く抱きながら校庭へ向かった。
_______
張り出されたクラス表に目を移すと
一年B組
白川A。
私の名前が表示されていた。
「B組...かぁ。」
そんな声を漏らすと横から
「えっ!?!?」と加恋の声が右耳に響いた。
「え?!何どうしたの?!」
「A!みて!私とA同じクラスだ!」
そう加恋の指指す方に目を向けると
「茶谷加恋」と記してあった。
「うっそ!やった〜〜〜!!!」
自分の名前を探すので精一杯だった私は、加恋の名前を見つけるのが遅くなってしまった分
飛び跳ねてしまうほど嬉しかった。
何だか一安心。
「てか、A!よく見たらテツヤくんも同じクラス!」
「あ...本当だ。」
加恋のいうテツヤくんとは中学校時代に、まあまあ仲の良かった同級生。
黒子テツヤ___
影はかなり薄いけど誰よりも礼儀正しくてとても優しいバスケ部の男の子だ。
「白川さん、茶谷さん、また同じクラスですね。」
.....
白川・茶谷「っうわぁぁああっ!!!!!」
そんな話をしていると後ろから噂の黒子くんが話をかけてきた。
「黒子くんいつからそこに?!?!」
黒子「ずっと居ましたけど...」
茶谷「全然気付かなかった!ごめんね!また同じクラスだね!」
黒子「はい、心強いし嬉しいです。茶谷さんがいるとクラスが騒がしそうですね」
茶谷「え、テツヤくんそれって悪口?!」
「悪口だよ、加恋うるさすぎるってさ」
茶谷「もう、テツヤくんまで酷くない?!」
黒子「そんなことないですよ、心底褒めてるんです」
茶谷「絶対うそだもう〜〜〜〜〜」
「はははっ!」
加恋も黒子くんも同じクラスとなると今まで緊張していた時間が嘘のように
縛られていた糸が解けた気がした。
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作者名:RIERU | 作成日時:2020年10月27日 9時