【伊月葵】〜学校〜 ページ36
「おはよーっ」
「はよーっ」
「葵ちゃんおはよー」
「伊月おはー」
朝から少し感傷に浸り過ぎてしまったかな。何か気分が少し憂鬱だ。
そんな事を思いながら教室に入り、席に着く。
窓際の列の、後ろから二番目。
爽やかな風がカーテンを揺らし、時折トタン、トタンと遠くで電車の音が聞こえる、何故か心が安らぐ場所。
そこが私の特等席。
「おはよっ、綾乃。」
「おはようございます、葵さん。」
そんな特等席の隣の住人、黒谷綾乃は知れば知る程面白い。そんな人物だった。
「ねぇ綾乃。あそこのショッピングモール、スイーツバイキングのお店出来たんだって!確か甘いもの好きだったよね?今度一緒に行こうよ〜!」
「へぇ、そうだったんですか。それはいいですね。……あ、でも確か今月は市総体とか都大会とか、大会続きで殆ど休みが無かった気がしますよ?」
「え、嘘。………うわ、本当だ。んじゃ、暫くお預けかねぇ。…うぅ〜、ショックで寝込みそう……。」
「葵さんはいつもオーバーリアクションすぎます。……はぁ、帰りにチロルでも買ってあげますから元気出して下さい。」
「ありがとう!んじゃ私頑張る……ってチロルかい!!安っ!20円くらいじゃない!!」
「五月蝿いですよ、葵さん。」
「えぇー………。」
最初は鉄壁でも挟んで会話しているのか、というくらいガードが固く、同じバスケ部のマネージャーという接点もあって無いようなものだった。
しかし二年に上がり、クラスが一緒になると自然と会話する機会は増え、いつしか滅多に見せないような笑顔を咲かせる程に私達は仲良くなっていった。
何がきっかけだったのかはわからない。
お互い性格が似ている訳でも無いし、寧ろ正反対に近いようなものなのに、綾乃と居ると何故か落ち着くのだ。
「葵さん。」
「どしたの綾乃。」
「昼休み、図書室に行きましょう。」
「…それ、私も思ってた。」
「お調子者」とか「ダジャレマシンガン」とか皆には色々言われるし、自分でもわいわい騒ぐのは好きだけど、
ああ、なんやかんや言って、こうして綾乃と居る時が一番楽しい。
「……理科の講師にはこうしよう、キタコレ。」
「帰ります。」
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水希 - 参加したいです! (2018年5月21日 17時) (レス) id: 3c8893256c (このIDを非表示/違反報告)
リフル - 自分が書いた奴を消しました。 (2017年2月12日 13時) (レス) id: ac365a8709 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉(プロフ) - 未宇さん» はじめまして。是非どうぞ!でも私はこの一週間ここに来れそうにないのでやり方だけ教えますね! (2016年3月29日 7時) (レス) id: 28b2dcf9a2 (このIDを非表示/違反報告)
未宇 - 参加していいですか? (2016年3月28日 23時) (レス) id: d7839a77d6 (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - えっ!新機能スゴッ!?そんなのあったんですねぇ〜・・・って、ここ書き込んでいいんかな・・・失礼しましたぁー! (2016年3月8日 19時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃらめる x他7人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月6日 18時