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もしゃもしゃ ページ48

こぽぽ…


眠れないまま、未明を過ぎ
暇を持て余したわたしは
屯所内をウロついてみようと考えてもみたが
皆を起こしても困ると、
明日から生活の基盤となる、食堂で
温かいお茶を淹れている。



「ふぅ…」



食堂は思っていたよりも広く、
そして使い古されているようだ。
お鍋や料理器具は
おばさま達がきちんと管理しているのだろう、
とても手入れが行き届いていて
わたしに務まるだろうかと少し不安になる。



「あ、…冷蔵庫。見ておこう…」



ああ、やっぱり。すごく大きい。
おばさま達のことだからきっと、
きちんと配置されてる筈。
ちゃんと覚えないと…。



「…?なんでこんなにマヨネーズが
入ってるのかしら」



がたた…!



「!?」



後ろで物音がして、驚いて振り向くと…
そこには腰を抜かしたように
座り込んでいる隊士?の方がいた。



「…あ、だ、大丈夫ですか?」


?「…」


「…?立てますか?」



手を差し伸べると、その人は
ぶんぶんと音がしそうな程
すごい勢いで首を振り、
しゃきっと立って見せた。
大丈夫と言いたかったのかな。



「えと…何か飲みにでも
いらしたんですか?」


?「…」


「?」



何を聞いても喋らないその人は
徐にノートを取り出した。



終[ま、また副長が
マヨネーズを漁ってるのかと
見に来ました]


「副長がマヨネーズ……。
あ!ああ!あの大量のマヨネーズ!
そっか、土方さんのだったんですね!」


終[あなたはなぜ?]


「わたしは眠れなくて…、
温かいお茶を飲もうかと。
あ、よかったら飲みますか?」


終[!?‥‥はい]


「今淹れてきますから、
お座りになられててください」



その人から離れ、お茶を淹れながら
そうか、口が利けない方なのね!
あれ、でも耳は聞こえるのか…と
ひとり、悶々と考える。



「どうぞ」


終[あ、ありがとう]



なかなか、眼を合わせてくれない彼は
綺麗なオレンジ色の髪を
もしゃもしゃとさせていて
なんだか、誰かさんを想い出させる。



「ふふ…」


終[!?な、何か変ですか?]


「あ!いえ!すみません、
ちょっと想い出し笑いをしてました」


終[?]


「あの、お名前を聞いてもよろしいですか」


終[…三番隊隊長、斉藤終]


「隊長さんなんですね、すみません!
わたしは、」


終[Aさん…]


「もう名前覚えてくださったんですね」


終[……皆、覚えてる]


「…わたしも早く覚えないとですね!」


終[ゆっくりでいい…]

誰より優しい→←なんでだろうな



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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時

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