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4話 ページ4

後から職員室に呼び出されるかと思ったが、決してそんなことはなく。


後藤は右肘にサポーターを付けてバッシュを片手に体育館に向かった。



「おはようございます」


「おー、来たか後藤」


「どーも」



後藤は先に来ていた日向に挨拶をすると、バッシュに履き替えてモップを手に取る。



「後藤は中学の時どんな選手だったんだ?」


「そうですね、一言で言うなら天才です」


「は?」



まさか自ら言ってくるとは思わなかった日向は呆気取られる。



「自分で言う奴がいるか。
つか、天才ってキセキの世代も居るだろうが」


「はい、だから天才です」



後藤は笑顔で告げた。


手を止めることなく、モップ掛けを済ませると日向と一緒に倉庫から必要なものを取り出す。



「一体どう言う……?」


「火神大我くん、彼に尋ねた方がはやいと思いますよ。
彼とは一度やったことがあるので」


「っ、嘘だろ」


「まぁ自分が勝ちましたけど」


「はぁ!?」



その体格差で?


と思わなくもない。


火神は190センチの高身長で、体格も良い。


対して後藤は伊月と身長差は無く、174センチだとリコから聞いている。


だが数値は火神以上だと聞いたが。



「マジかよ……」


「まじっすよ」


「おっと」



後藤はやってきた火神に目を向ける。



「はよ。
つかこいつ、めっちゃ強ぇよ、です」


「ンだその敬語」



日向は頭が痛くなった。


ただでさえ火神ですら化け物と思ったのに。



「例えばこのボール」



後藤はカゴから一つボールを取り出した。


かと思えば、



「ほら、この通り」


「は?」



後藤が後ろに放ったそのボールはネットをくぐっていた。


ただ後ろに放っただけなのに。



「嘘だろ!?」



これに驚かないわけが無い。


彼は一度も後ろを振り返っていない。


まるで後ろにも目があるかのように。



「お前、鷲の目でも持ってんじゃ……」


「まさか。それは伊月さんの専売特許でしょう?
自分はただ天才なだけですよ」



ただ笑う後藤に、恐れた日向と、燃えた火神。


そして、火神の横で見ていた黒子が前に出た。



「後藤くん、君は帝光中と当たったことはありますか?」


「うん、あるよ。
キセキの世代、幻の六人目くん」



その言葉に黒子は少し驚いた。


なぜなら情報力が優れている敏腕マネージャーから彼のことを聞いたことが無かったから。


これだけの実力があれば目立っていたのに。


黒子は眉間に皺を寄せた。

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美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時

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