検索窓
今日:4 hit、昨日:23 hit、合計:41,834 hit

15話 ページ15

その日のゲームでも、後藤は派手に動くことは無く。


スクリーンなども上手く対応していた。



「スリー打てんのか?」


「打てないと思いますか?」


「だよな」



後藤は火神から受け取ったパスでスリーを簡単に決めた。


伊月はそれを見て頷く。



「カントク、次のゲーム、俺と後藤同じチームにしてくれ」


「何かあったの?」


「試したいことがある」



後藤は伊月を横目に、元のポジションに戻った。


二人がマッチアップすることは無いが、後藤は小金井とマッチアップすることが多い。



「俺キセキの世代怖いわ」


「ふふっ、自分以上に怖い選手しか居ないですけど?」


「でしょ?すぐスタミナ切れそう」


「そういう割には、余裕そうですよ」


「そう見える?」



ふとした時の小金井に恐怖を覚えているのは後藤の方だ。



「させないよ!」



後藤が行こうとした所にふと手が伸びてくる。


その瞬間、後藤は一歩下がるが、やっぱりと実感する。



(この人目立たないけど、それが吉に出てるな)



だが行けない訳では無い。


この状況で出したくないだけなのだが。



「まぁいいか」



手はひとつじゃない。


後藤は笑うと、降旗に一度パスをしてから小金井を抜いた。


直後に小金井を抜けて、あっという間にフリースローラインに立った。



「取り敢えず点貰います」



簡単にレイアップで決めた後藤に降旗たちは声をかける。


それらを見ていた二年は汗を拭いながら話す。



「どうだコガ」


「やっぱ伊月が言った通りだよ」


「そうか」



伊月は小金井からその感想を聞くと、息を吐き出した。



「後藤は死角に入り込むのが上手いのと、死角にボールを持っていくから、いつパスを出してるのか分からないんだ。
だから後藤とマッチアップする時は、正面じゃなくて、後藤の目を見て動いてみろ。
だって、そんな難しいこと出来るかって!!」


「でもやり切っただろ?」


「あの一瞬でよく気づいたよな」


「3on3やってる時からちょっと後藤の研究してたからな」



リコのホイッスルで二年は動き出した。


そのやり取りを聞いていた後藤は笑った。



「これだから観察力ある人って面白いんだよね」



心底嬉しそうな一言が、逆に怖いと黒子は感じた。

16話→←14話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
311人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。