3話 テンション上がっちゃってますよ 【蔵人&作哉】 ページ4
「ただいまー!」
早く綾に話したくて玄関開けたら、
同じくテンションアゲアゲの妹がお出迎え。
「ねえ、聞いて!」「聞いてくれ!」
「今日私王子様と出会ったの!!」
「今日お兄ちゃんは天使と出会いました。」
「クソ兄貴の口から天使・・その子ご愁傷様です。」
「今時王子様・・現実を見ろ。」
「本当に格好よかったの!」
「俺はそれどころではない、
久々に心臓ぎゅーん!ってなったから。」
笑顔思い出すだけで3杯はイケる。
「3日で終了にハーゲンダッツ。」
「その3日は交際スタートから?」
「追っかけるのが。」
「どんだけチャラいの綾の中の俺。」
リビングのソファーに座ってる綾の方を見れば
漂うオーラが恋する乙女。
「名前とか聞いたの?」
「ん?ああ、名前しか聞けなかったなー。」
「安室さんってー・・超格好いい!」
「降谷さんってー・・超可愛い!」
「とにかく妹よ、俺は生まれ変わった
新生尊として今後活動するからよろしく!」
「何でも良いけど邪魔しないでよ?」
「そのまま返してやる、降谷さんに惚れるなよ?」
「女に興味あるわけないでしょ。」
「ふははは!残念ながら降谷さんは純然たる男だ!
その辺の女よりクソ可愛いのに男だ!どうする俺?!」
「安室さんに近づかないでね変態クソ兄貴。」
「王子に興味はねぇ!俺はインテリ美人が好物です!」
自分の部屋に戻って降谷さんの笑顔反芻。
清い、あの真っ直ぐな目、凛とした佇まい。
そのくせあんな柔らかい笑顔繰り出すって何だよ。
相手男とかどうでも良くなる破壊力だった。
あれが世間で言う人タラシってやつか。
「これからどうやって寄っていくか・・。
まずは職場突撃するかな。」
彼を探す為のキーは少ない。
辿り着けないかもしれないけど、
久々に本気出して頑張ろーっと。
自分の持ってる全てのネットワークを駆使して・・
アレ?俺友達居たっけ?
自分の部屋に戻ってベッドにダイブ。そして思い出す安室さんの笑顔。
さわやかすぎて、春風が吹いたみたいに良い匂いがして、冷たそうな瞳の中に宿る優しさ。
「ま、馬鹿兄貴と違って友達多いから…」
私はそう言って、電話をかける。同じ大学の大学院生、沖矢さんに。
「沖矢さん。安室透さんって知ってますか?」
『ええ。知ってますよポアロという喫茶店で働いてますよ』
どうやら、安室さんはポアロという店で働いているらしい。
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