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EP57 ページ8

Aは事故の後遺症が痛むらしく

保健室登校が多くなりカレ以外は

面会する人もいなくとも週の半分は登校していました

やはりカレがいればいいのかもしれません

Aは家に居ても部屋に籠りきりで

時々声にならない悲鳴をあげ家を飛び出す事が増えました

母さんや父さん、ボクも探しに行きますが

行き先は様々で見つけられない事が増えてきました

しばらくすると帰ってくるので

ボクは次第に探しに行かなくなりました

蒸し暑い日々が始まる頃には

予選も圧勝し全中を迎えました

カレらが試合に出ると…スコアは常軌を逸していました

ボクはただ…ベンチにユニホーム着て座ってるだけ

どんどん勝ち上がり準決勝の相手は

昨年決勝で当たった鎌田西

勝ち上がれば…荻原君と決勝です

彼にボクを見せたい…

黒「監督。スタートから出して貰えませんか?」

真「何?」

初めて直談判しました

ここは譲れません

パスを出してるけど…楽しさは…薄らいでます

けど彼にはボクもコートに立ってる事を知らせたい

 ガツっ!

目の前が…真っ白になりました

荻原…君…約束を…果たし…ましょ…

……

その後のボクは…絶望の底に居ました

怪我さえしなければ…

鎌田西戦に出てなければ…

こんな結果にはならなかったかもしれません

…いえカレらがボクに賛同してくれるのは…

もうなかったんですね

大好きなバスケが…とても…嫌なものに見えました

両親に連れられて家路に着きました

今はそっとして置いて欲しいです

Aが声をかけてくれましたが今更です

1人になりたい

ボクは…荻原君との約束を果たせなかったんです

ベッドに横になりながら涙が枕に落ちました

いつの間にか朝になってたようですが

部屋から出る気にはなれませんでした

ふとAも…あの時こんな気持ちだったかも…と

頭を過ぎりましたが考えるのをやめました

 トントン

Aが声をかけてきました

引き篭もろうと思いましたが

汗をかいたまま寝たのでベタベタします

…サッと浴びて出てきましょう

扉を開けるとタオルを持ったままのキミがいました

ノックしてからずっと立っていたのでしょうか?

タオルを受け取りシャワーを浴びました

目を閉じると…あの時の光景が思い出します

荻原君の絶望してる目が…頭にこびりついてます

汗のベタベタは落ちたのに…頭の中はクリアになりません

ボクはこれからどうすればいいんでしょう…

相談する相手も…居ません

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あーちゃん - すごく面白かったです!頑張ってください (11月23日 7時) (レス) @page14 id: 332a7826dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 続き気になります (2023年4月24日 21時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mipon | 作成日時:2022年6月20日 22時

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