深紅の君に…10

赤司52 ページ4

5日後父は帰宅すると真っ先に僕の部屋にきた

赤父「征十郎！いったい…何をしたんだ！」

感情的に怒る父を久しぶりに見た

赤「何って父さんの会社を何社か買収しただけですよ

とてもいい取引でした」

赤父「なぜ…そんな事をした

親である私の面子を潰す気か！」

赤「父さんが僕の思うようにしてくれないからですよ

この間話しましたよね？」

赤父「！！婚約者の話か

そんな事の為にお前は…」

赤「彼女以外僕の隣は有り得ません

…認めていただけますよね？」

赤父「…買収した会社はどうする気だ」

赤「そうですね…バラバラにして売り捌くのもありですね

僕の資金もより増えます」

赤父「お前が株取引をしてるのを甘く見ていた

…彼女と養子縁組してやる

その代わり買収した会社を渡せ」

赤「いいですよ

彼女が手に入るならば会社など必要ありませんから

父さん。1つ覚えてて下さい

僕に逆らう奴は何人であろうと許さない」

赤父「……」

赤「あとで資料を渡します

明日までに署名よろしくお願いします」

父は黙って部屋を出た

彼女との養子縁組が決まった

早く迎えに行かなければ

それにしても…父のあの表情…滑稽だ

感情など捨てた人だと思ってたがまだ人間味があるようだ

あんなのでは人の上に立ち導く事は出来ない

父さんも所詮そこまでという事だな

気持ちの良い夜だ

ほら…下弦の月が僕の未来を明るく照らしている

鷺沼から父の署名入りの資料を受け取った

あとは彼女の所へ行くだけだ

面会謝絶？家族になる僕は面会可能さ

〜昼休み〜

　♪"〜

鷺沼からのメールだった

鷺『至急連絡求む

養子縁組について情報あり』

何？まさか父さんが虚偽の署名をしたのか！？

赤『僕だ』

鷺『お忙しい所申し訳ありません

単刀直入に申し上げます

養子縁組は…不可能になりました』

赤『！！何故だ！』

鷺『お父上の署名は本物ですが

…もう1人からの判が貰えなくなりました』

赤『…というと？』

鷺『藤本Aは…既に養子縁組を完了しています』

赤『…何だ…と？』

鷺『昨夕黒子家との養子縁組が締結されました

情報を入手するのが遅くなり…申し訳ありません』

彼女が養子縁組？それもテツヤと？

赤『ふ…ふざけるなっ！』

電話を切り机を叩いた

どうして邪魔をするんだテツヤ！

お前は彼女の【特別】ではない！僕なんだ！

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