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山吹121 ページ1

第六の結界、龍炎寺において、花開院豪羅は秀元から貰った言伝に深いため息をついて向こう側を見つめていた。

「……まったく、秀元様は何考えとる?結界を、何故ゆらに…。無理に決まってるではないか!」

誰に伝わるのでもないことを、本人は承知の上で口に出す。
「竜二で、よかろうものだ」
縁側を、足で床を鳴らしながらぶつぶつと文句を言うが、それは叶わない。

「っ!」

突如、庭にザッ…という音が響いた。

「まーるたーけ、えべすにおしおーいけー。あねさんろっかく、たこにしきー…。しあやぶったかまつまんごじょう」

そこには、綺麗で可愛い、幼女が独り。
ハアっと、幼女は唄いながらも薄く嗤う。

「せったちゃら、ちゃら、うおのたな」

豪羅は畏れた。
ゾクリと背に冷や汗が伝い、鳥肌が立つ。
「?!貴様!!妖か?!」

幼女は嗤う。

「あ…?今……私を畏れたわ……?」

幼女がそういった途端に、カキャカキャと音を立てて頭蓋骨の目の穴に蛇が絡まるものが地面から湧き上がった。
「?!」
豪羅は、動揺した。なんだ、これは!

「ク……、ムッ……」

「妖の戦いは…“畏れ”たら負けよ。その目玉…もらうね」

ふっと、幼女の右が溶けて無くなった。
……いや、見えなくなったのだ。
実際、豪羅の右目玉は無くなっていた。
「?!
ガッ……、な、何をされた……?!」

右が……見えねえー!!
豪羅は得体の知らぬものに怯えた。

左に見え、耳に聞こえたのは、幼女の「あなたの眼球は、“こちらの世界”に」という台詞と、幼女が持つ頭蓋骨の右の目玉穴に転がるのは自分の眼球。

「なっ、なめるなぁああ!!」
叫ぶと同時に、豪羅の指先からは白い煙と共にら刀が現れる。
「式神!!弁慶の薙刀(なぎなた)────!!」

だが、それはもう遅い。
溢れ出した頭蓋骨から蛇は抜け、豪羅の左目を喰らう。

「骸の世界へ、ようこそ」

ドサリッと、豪羅は倒れた。
幼女は、終始変わらず笑顔を絶やさなかった。嗤い、微笑んだ。
「あ……羽衣狐さま。どうぞ…六番目ですけど、陰陽師の“生き肝”です」

羽衣狐は、綺麗に、華麗に幼女(狂骨)に微笑む。
「狂骨の娘よ。お前、父親よりみどころあるのう……」

ふわり、と風が(なび)く。

「フフ……」

山吹122→



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- このお話しの続きみたいな (2021年12月1日 19時) (レス) id: 268141ac8f (このIDを非表示/違反報告)
寅丸号(プロフ) - 出戻りしました。訳あって更新できず、1から作り直しています。良ければ覗いてください。 (2019年6月5日 21時) (レス) id: aa5f260623 (このIDを非表示/違反報告)
火怨(プロフ) - 面白かったですが、辞めてしまったのは残念です、違うところでも頑張ってください (2017年12月1日 0時) (レス) id: c7b0e83110 (このIDを非表示/違反報告)
瑠那(プロフ) - これだけ作品が多いんです。パクリだからと言って辞めてしまってはキリがありませんよ。せめて完結させてほしかったです。小説を書いて他人に読んでもらっている時点で小説家なんです。責任をもってください。完結させないなら書かないで。面白かったのに残念です。 (2017年6月30日 22時) (レス) id: b7eb31190a (このIDを非表示/違反報告)
瑠那(プロフ) - 辞めてしまって言うのもどうかと思うんですけど...。原作沿いで作品を作っているのなら似てしまうのも仕方なくありませんか。勿論、相手の方と話してパクリだと認められたのなら別です。有名になってないだけで、この作品より前に似たようなものが作られたかもしれない (2017年6月30日 22時) (レス) id: b7eb31190a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:揺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年10月15日 22時

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