山吹106 ページ32
あの小さい土蜘蛛と共に、あの温厚そうな土蜘蛛が「よお」と、手をこちらに上げた。
「ど、どうも……」
軽く会釈し、胡座だった足を正座にさっと直す。
その様子を見ていた土蜘蛛は、「ゆっくりしてていいぞ」と、指摘した。
「これから、親分がくる。少し怖いが、中身はものすっげぇ優しい方だ。多分、お前にも優しくして下さるだろう。」
「はい。ありがとうございます」
そういい、Aは土下座するようにして頭を下げる。
「いんや、大丈夫だ。
それよりお前、いきなり倒れるもんだから、あの兄貴でさえ焦ってたぞ?
顔面とか、綺麗な顔立ちしてんだから傷ついたら大変だー!とか、言ってたからな。」
面白そうに喋る土蜘蛛に、「そうなんですか」と返すしかないAは、笑顔でそれを聞き流した。
「銀」
そう、上から響く声は、あの兄貴蜘蛛だった。
話で夢中だった2人は、気配に気付かず話をしていたようだった。
温厚土蜘蛛は、「兄貴」と声をあげ、すくりと秒速で立ち上がる。
「親分がくる。」
それだけ言った兄貴蜘蛛は、Aより百メートル近く離れたところに腰を下ろした。
そんな兄貴蜘蛛を、温厚蜘蛛は「恥ずかしいだけだ」と、笑って兄貴蜘蛛の目の前に腰を下ろした。
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紫苑 - 凄く面白かった!!続きが楽しみです。頑張ってね♪ (2017年3月8日 3時) (レス) id: a3f3b945c6 (このIDを非表示/違反報告)
悠奈 - 中1ですか!? 僕は中2なんですよ! ちなみに合唱部です! お互いがんばりましょう! (2016年6月7日 20時) (レス) id: 9d1bd19e66 (このIDを非表示/違反報告)
揺樹《板見》(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます!頑張りますね。できる限り (2016年6月4日 21時) (レス) id: aa997fc8d3 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 土蜘蛛一家か〜いろいろ大変そうだな。うん。読んでて楽しいです!更新頑張って下さい^_^ (2016年5月17日 18時) (レス) id: ebc513d4ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆらき(プロフ) - 蛙の手さん» ああああありがとうございます!! (2016年4月23日 23時) (レス) id: 97d571de55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:揺樹 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月7日 11時