検索窓
今日:32 hit、昨日:1 hit、合計:351,061 hit

山吹106 ページ32

あの小さい土蜘蛛と共に、あの温厚そうな土蜘蛛が「よお」と、手をこちらに上げた。



「ど、どうも……」



軽く会釈し、胡座だった足を正座にさっと直す。



その様子を見ていた土蜘蛛は、「ゆっくりしてていいぞ」と、指摘した。



「これから、親分がくる。少し怖いが、中身はものすっげぇ優しい方だ。多分、お前にも優しくして下さるだろう。」



「はい。ありがとうございます」




そういい、Aは土下座するようにして頭を下げる。



「いんや、大丈夫だ。

それよりお前、いきなり倒れるもんだから、あの兄貴でさえ焦ってたぞ?
顔面とか、綺麗な顔立ちしてんだから傷ついたら大変だー!とか、言ってたからな。」



面白そうに喋る土蜘蛛に、「そうなんですか」と返すしかないAは、笑顔でそれを聞き流した。




「銀」



そう、上から響く声は、あの兄貴蜘蛛だった。




話で夢中だった2人は、気配に気付かず話をしていたようだった。



温厚土蜘蛛は、「兄貴」と声をあげ、すくりと秒速で立ち上がる。



「親分がくる。」



それだけ言った兄貴蜘蛛は、Aより百メートル近く離れたところに腰を下ろした。




そんな兄貴蜘蛛を、温厚蜘蛛は「恥ずかしいだけだ」と、笑って兄貴蜘蛛の目の前に腰を下ろした。

山吹107→←山吹105



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (192 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
428人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫苑 - 凄く面白かった!!続きが楽しみです。頑張ってね♪ (2017年3月8日 3時) (レス) id: a3f3b945c6 (このIDを非表示/違反報告)
悠奈 - 中1ですか!? 僕は中2なんですよ! ちなみに合唱部です! お互いがんばりましょう! (2016年6月7日 20時) (レス) id: 9d1bd19e66 (このIDを非表示/違反報告)
揺樹《板見》(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます!頑張りますね。できる限り (2016年6月4日 21時) (レス) id: aa997fc8d3 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 土蜘蛛一家か〜いろいろ大変そうだな。うん。読んでて楽しいです!更新頑張って下さい^_^ (2016年5月17日 18時) (レス) id: ebc513d4ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆらき(プロフ) - 蛙の手さん» ああああありがとうございます!! (2016年4月23日 23時) (レス) id: 97d571de55 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:揺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年2月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。