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18 失いたくないもの（和side） ページ18
朝
校門前で待っているとAと加音ちゃんが並んで歩いてきた
Aの様子は落ち着いていて少し安心した
俺を見つけた加音ちゃんは当然のように先に行って、Aが俺のほうに歩いてきた
和「…」
あ「…」
お互いを目の前にして重たい沈黙が数秒…
あ「…鞄ありがとう、昨日は、ごめんなさい」
和「いや、謝るのは俺のほう、ごめん」
俺が頭を下げた後また沈黙が漂って耐え切れずに顔を上げると
柔らかく笑って巾着袋を差し出すAの姿
あ「お弁当、大好物が入ってるよ」
受け取ると一目散に走っていった
試しに中を覗いてみると小さなメモ
'昨日はごめんなさい
今日昨日の話の続きがしたいです
放課後一緒に帰ろうね'
読んで無性に泣きたくなった
本当に謝るのは俺のほうなのに
昨日あれだけ酷いことをしたのに
それでもまだ
歩み寄ろうとしてくれる妹が
大切で
愛おしい…
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作者名：にのもと | 作成日時：2021年1月16日 1時
