叶わないはずの恋 Ninomiya (ページ19)

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19 許されなくても（あなたside）ページ19

昨日私が飛び出した家に二人で帰ってきた

学校からの帰り道やっぱり会話はなくて

居心地の悪い空気が漂っていた

それでも帰宅してお互いリビングのソファーの前に向かい合って正座した

和「昨日は乱暴なことして本当にごめん」

あ「…驚いた」

和「うん、でも伝えた気持ちに嘘はないから」

その瞳は昨日と同じように切なげで

その中にある、確かな…

その瞳を見て勇気が出た

あ「あの…ね、私昨日和に好きな人がいるなんて聞いて驚いて、相手が誰なのか気になって

気付いた」

要点を得ない私の話に和が少し怪訝そうな顔をしている

あ「自分の中にあった気持ちの正体に。

和が人気者で王子様とか呼ばれてるのにもやもやしたり、いっそ人気なんてなくなればいいのに、とか」

察しのいい彼はすでに先を理解して目を丸くしている

あ「気持ちに気付いた当日に、あんなこと言われるから混乱して、どうしていいかわからなくて逃げたの」

なおも固まって動けていない和に近づいて腕に触れてみる

あ「こんな気持ちを自覚した後でなかったことにはできない」

今度は

私から

和に近づいて

触れた

許されなくてもいい

それでも私は和が

好き