85話 自主練に ページ42
涼太がひぃひぃ言いながら、モップ掛けをしている中、私はボトルの準備をしていました。
帰りに何奢ろうかな〜っと考えていると、後ろからドタドタと走って来る音が聞こえる。
え、何...これ振り向いちゃいけないやつだよね?
「A〜〜〜!!!」
『あれ?早川先輩!?ど、どうしたんですか?』
早川先輩の声が体育館中に響き渡り、無視など出来なくなった私は振り向く。
なんだなんだ、と他の部員の目も自然とこちらを向く。
走って私の元にやってきた早川先輩は、鼻息を荒げながら目を輝かせてこう言った。
「A!一緒にバスケす(る)ぞ!」
『へっ...?えっと...早川先輩、そろそろ練習始まるのでバスケ出来ますよ...?』
「お(れ)はAともや(り)たいんだ!」
『え?え?なんでですか...?』
「おい早川。Aちゃん困ってるからやめろって」
疑問で頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになっている私に、中村先輩が早川先輩を止めるべくやって来てくれた。
「なかむ(ら)!お前も一緒にや(ろ)うぜ!」
「Aちゃんが了承したらね」
『えっと、中村先輩。なぜこんな事に...?』
「ああ、昨日、笠松先輩から話を聞いて、Aと一緒にバスケする!とか急に言い出してね...」
『何故私となんですかね...?』
「多分だけど、こいつも何か思う事があったんじゃないかな?馬鹿な奴だけど、自分の気持ちには素直だからね」
そう言って中村先輩は、早川先輩を小さい子どもをなだめるようにしている。
不意に早川先輩と目が合い、早川先輩は私にニカッと素敵な笑顔を見せる。
「お(れ)!Aがシュート打ったら(リ)バンと(る)んだ!」
『私のシュートですか?部員の方に打ってもらった方が練習になりますよ?』
「Aのをお(れ)はと(り)たい!」
『...そうですか。じゃあ練習終わったらやらせていただいていいですか?自主練に私もお付き合いしたいです!』
「おう!や(る)ぞ〜!」
私の答えに満足した早川先輩は、約束な!と言って私の頭をぐしゃぐしゃと撫でてきました。
あまりにも笑顔だったので、されるがままになっていたけど、何故か心地よかった。
頭を撫で終わった後は、うおー!と雄叫びをあげながら走って小堀先輩たちの所へ走って行った早川先輩。
嵐の様な人だな...
「ごめんねAちゃん。やっぱりリバウンドとりたいだけかも...」
苦笑いをする中村先輩に私は笑顔で答える。
『それでも、なんだか嬉しいです!』
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時