77話 幸男くん ページ33
しばらくの間、俺はおばさんに頭を撫でてもらっていた。
Aに撫でてもらっているかのように、凄く落ち着く...
「幸男くん、おばさんね、Aからは全部聞いているの」
「うん...」
「でも、Aは先生には本当の事を言わなかった」
「うん...」
「親なら、こんなことをした女の子達を許しちゃいけないと思うんだけど...」
「おばさんは親失格だね。Aの気持ちを尊重してあげたいと思っちゃったの。だから、おばさんもあの子達を許してあげることにしたの」
「幸男くんは、Aに酷いことをしたって言っていたけど、Aも幸男くんに嫌なことをしたから...許してあげてほしいな」
「Aは悪くない...」
「そっか。許してくれてありがとう。
それとね、お願いがあるの」
「お願い...?」
「うん。これからもAと仲良くしてあげてくれませんか。って言うお願い。
幸男くんが嫌なら、いいの。どうかな?」
「それだけで、いいの...?」
「うん!おばさんそれだけで嬉しいな!」
「...いいよ。でも、俺、一生仲良くいるから...」
少し恥ずかしげに言った俺の顔を見て、おばさんは驚いた顔をしていた。
意味がバレた...か?
すぐにおばさんは笑顔になった。
「うん。ありがとう幸男くん」
おばさんは俺を抱きしめた。
なんかこういうのは照れ臭いが、Aの匂いがして、抵抗なんかなかった。
すると後ろから、ガチャりと扉が開く音がした。
「幸男くん...おじさんの前で見せつけてくれるね〜おばさん取られちゃったぞ〜」
「あらあなた。おかえりなさい〜幸男くん男前だから思わず抱きついちゃった!」
「お、おじさん!?おばさん!?何言ってんの!?」
部屋に入ってきたのは、Aの父さんだった。
てかこの状況なんだ!すごく恥ずかしいんだけど...!
「幸男くんおじさん達の家の子供になるか〜?お義父さんって呼んでくれていいんだぞ〜」
「いや、お父さんとは呼ばないです...よ」
「フラれちゃったわねお義父さん〜」
なんかおじさんとおばさんが言っている、おとうさんのニュアンスが何か違う気がするけど、小6の俺には分かるはずがなかった。
先程まで、少し重たかった雰囲気が、軽くなった気がした。
ああ、Aの両親なんだな...とそう思った。
もちろん良い意味でな。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時