66話 トクベツ ページ22
『そう言えば、ゆきちゃんはなんで女の子にがてなの?』
先程教室から飛び出して、練習場に向かっている俺達。
走っていたが、練習をする前にバテたら意味が無いという事で、今は歩いている。
歩いて余裕が出来たのか、Aはそんな事を俺に聞いてくる。
「別にニガテじゃねーし!」
『でも、いっつも女の子と話すとき、下向いてるし、ああとかうんしか言わないよー!』
「...」
別に低学年の頃は、苦手では無かった。
そんなに話さないにしろ、普通には喋れていたと思う。
しかし、Aと同じ歳、4年生の時、俺は告白を初めてされた。
素直に嬉しかったし、それに伴って照れもした。
けど俺は、告白をしてくれた女子に興味が無かったから、断ったのだ。正直、Aの相手をするだけでいっぱいだったというのもある。
俺に断られた女子は急に泣き出してしまった。
すると、どこかで見ていた、その女子の友達が2、3人現れ、俺を批難してきたのである。
え...これ俺が悪いのか!?と、今でも思っている。
なんでも、その告白は絶対成功すると思われていたらしい。
長い間責められ、女子の怖さを痛感した俺は、それ以来女子が苦手だ。
「色々あんだよ」
『ふーん。あ、でもゆきちゃんわたしも女の子だけど、ちゃんと話せてるよ!』
「Aとは小さいころからいるだろ。幼なじみだから話せるに決まってんだろ」
『じゃあわたしトクベツだね!』
わーいトクベツー!と笑顔でピョンピョンと跳ねながらAは喜んでいる。
今の話に、どこに喜ぶ要素があるのだというのだろうか。
まあ、特別には近いのかもしれないが...幼馴染だし...それでも素直に認めたくはない。
『なんか今日はいっぱいシュート入りそうな気がする!』
「どんな気だよそれ。てか、今日女子とゲームするのか」
『今日もゆきちゃんたちにかつぞー!』
「負けねえし!」
大体後半のメンバーが5、6年で固められる中、Aは4年生ながらに、上級生に混ざってプレーをしている。
当時のAは、神奈川県では割と有名なミドルシューターだったのだ。
それに対して、俺はドライブを活かしたプレーは得意だったが、ミドルシュートはからっきしだった。
今では想像つかないとよく言われる。
将来3Pシューターとして期待されていたA。
その未来を潰したのは、俺だ。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時