『最近、笠松先輩に彼女ができたと聞いたんです…どこぞの女じゃぁぁぁぁ！！！』笠「お前だよ！！！」『……ハッ！私か！』【笠松 幸男】

▽「海常vs誠凛 6」 ページ22

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皆、気を使って

私と笠松先輩を二人きりにしてくれた。






笠松先輩は、最後まで涙を流さなかった。

主将としての、責任なのかな。






笠「悪ぃな。負けちまって」


『何いってるんですか。今日の笠松先輩は、今までで一番かっこよかったです！ずっと見てきた私が言うんで、間違いないですよ！』


笠「なんだそれ」


『…やっぱり笠松先輩が主将で良かった』






あの時、やめないでくれて良かった。

やっぱり海常をまとめられるのは笠松先輩しかいない。






笠「………」


『私、海常高校に入って良かったです！笠松先輩と出会えたし…なにより最高のチームのマネージャーができた。たぶん、私の幸せの絶頂期です』






言って、涙が溢れてくる。







犬みたいで憎めない、黄瀬くん。


ら行が言えないけどいつも熱血な、早川。


女好きだけど何かと助けてくれる、森山先輩。


優しくて頼りになる、小堀先輩。







そして、


いつも周りをよく見てて私の大好きな主将

笠松先輩。







来年から、

先輩方はいなくて







新しい人が入ってきて

全然違うチームになる。







『寂しいなぁ…』


笠「泣いてんじゃねぇ。お前は今までこのチームを支えてきたんだ。これからも海常を支えられるのはお前しかいねぇよ」


『そんなこと言われたら、余計泣いちゃうじゃないですか！』







そう言うと、笠松先輩は私を優しく抱き締めた。

笠松先輩は、震えてた。








『笠松先輩だって、泣いてるじゃないですか…』


笠「…俺もこのチームが大好きだ。お前に出会えて良かったよ」


『…笠松先輩…』


笠「もう少し、やりたかったな」


『…はい』







私達は泣ききって、皆の元に戻った。

皆は何も言わなかった。






皆の目も赤かったから。






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