▽褒める ページ14
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『というわけで、お願い黄瀬くん!力を貸してください!』
黄「どういうわけっスか…」
森「俺からも頼む!」
こんな時に頼れるのって、彼ぐらいしか思い当たりません。
小堀先輩も早川もモテとは遠い感じするし、笠松先輩もなんか違う気がするし…。
黄「俺がどうこうできる話っスかね?」
『今までなんの為にモデルやってきたのよ!』
黄「絶対にこの時の為ではないっス」
森「頼むよ黄瀬…俺はどうしたらいいんだ…」
『この通り、森山先輩スランプなのよ』
森山先輩が女の子にフラれて落ち込むなんて、そうそうあることじゃない。
これは一大事だ。
黄「うーん、じゃあ…女の子を褒めてあげるとか」
森「それはいつもしてるぞ?」
黄「可愛いとかじゃなくて…例えば、Aっち先輩、」
『なに?』
黄「今日いつもと髪型違うっスね!似合ってるっスよ!」
『ありがとう!』
黄「こんな感じで、髪型とかアクセサリーとか褒めればいいんスよ!」
『確かに、気分いいかも!』
黄「じゃあ森山先輩、やってみてくださいっス!」
森「Aちゃん…シャンプー変えたか?いい匂いがする」
『うーん、ある程度仲良かったらいいですけど、初対面でそれはキモいです』
森山先輩が口説くのって、大抵が初対面だからね。
普通にひかれると思います。
森「難しい…!」
黄「後は重いものを持ってあげるとか…そういう気づかいが大事っス!」
森「なるほど!」
『黄瀬くん、意外と良い男だったんだね。駄犬なんて思っててごめんね』
黄「そんなこと思ってたんスか!?」
ちょっとだけだよ。
ほんとに、ほんの少しだけ。
森「よーし!俺は今日から生まれ変わるぞ!」
『頑張ってください!』
黄「てか、モテないって気づくの遅くないっスか…?」
『それは私も思ったよ』
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作者名:優 | 作成日時:2018年3月1日 13時