【stpr】マフィン焼いたら家燃えた 2

マフィン48 ページ3

こ「先輩、僕ちょっと電化製品とかなんとか見てくるから好きなとこ見てきていいよ」

スマホで連絡とればいいし、と付け足して言うころん

私が行ってもよくわかんないものだらけだし、お言葉に甘えてそうさせてもらおう

こくり、と頷いて私たちは一度別れた






『さて、今回は何とろっか』

私が狙いを定めていてもメンテナンス中のそぶりを見せる店員さんはいない

あぁ、自由って素敵

最近ゲーセン側に指名手配犯並みに避けられてるからか避けられていない事実に心躍る

るんるんでゲーセン内を散策していると見つけたのは大きなクマのぬいぐるみ

ぽてん、とした緩い顔立ちとふんわりした毛

これはとるしかない！

そう確信した私がそれに近寄ると同時に他の二人組も近寄ってきた

誰だろうか

つい気になって隣を見るとそこにいたのは


莉「なーくん！これ見て！可愛いの！」

な「わぁっ、可愛い！でも俺らにとれるかなぁ」

莉「これも一つの練習だよ！ねっ、ねっ？」


可愛い後輩と、背後から常に後光が差す社長だった

・・・どういう繋がりですか？？

私が一人混乱してずっと見ているとそれに気づいたのか二人もこちらを向く

な「あっ、すみません。先ど・・・朝霧さん！？」

莉「え！？先輩！？」

今、鏡に映したように私たちの顔はそっくりだろう

大きく目を見開き口を開ける

かなりの間抜け面ではあるが顔面国宝にそれは関係ないらしい

ちゃんと背景に花が咲いている

混乱と幻覚がまじりあう脳味噌を何とか整理しつつ口を開く

『えっと、社長とりいくんはお友だち・・・？』

私の問いかけにりいくんがブンブン頷く

莉「う、うんっ、なーくんは俺のお友達！」

な「そうっ、すごく仲いいよ！と言うか社長呼びに戻ってる・・・」

りいくんに相槌を打ちながらも社長呼びを指摘する社長

なんだろう、慣れないんだよな。なーくん呼び

『ついうっかり・・・。なーくんごめんね』

な「ん！やっぱなーくん呼びは嬉しいから好き！」

そんなことを思いつつ頑張ってなーくん呼びにすると、なーくんが嬉しそうに笑った

その後ろには正体不明の謎の花はもちろん、謎の風も現れている

そうか、これが神の御力か

意味不明なことを考えながらも私の逃走本能が嘆いていた

帰らせてくれ・・・、とただ一言だけ

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