【stpr】マフィン焼いたら家燃えた 2

マフィン49 ページ4

逃走本能が帰りたいと嘆いている私の肩をりいくんがつついて尋ねてくる

莉「先輩ならあのクマさん取れる・・・？」

きゅるりん、と効果音がつきそうなほど可愛らしく見つめられるとつい素早くうなずいてしまう

『うん、取れるよ』

私が即答するとりいくんだけでなく、なーくんも目を輝かす

な「ほんと？お金ならいくらでも出すから二つ取ってほしいな」

高そうな財布片手に。

その金銭感覚にちょっと引きつつ受け取り二百円だけ取り出す

『ん、分かった。頑張る』

私がそういうとなーくんはオロオロと福沢さんを差し出した

な「気にせずにお札とっていいよ？クマさん取れたらお札減ってもそれでいいんだから」

いや、だから金銭感覚おかしいですって

天は二物を与えずと言うが三物くらい与えてる。なんなら五物

そんなことを思いながら首を横に振る

『大丈夫、クレーンゲームは得意だから』

な「でもぉ・・・」

それでも納得せずにせめて、と樋口さんを取り出すなーくん

必死で断っていると私の心情を察したのかりいくんが口を開く

莉「なーくん、お札は後で渡そう？今渡しても先輩断るから、ね？」

うん、そうじゃない

上司はもちろん、唯一の味方であると信じていた後輩の金銭感覚も疑いたくなった




数分後

『おし。なーくん、りいくん、二人の分とれたよ！』

大きなクマを抱きかかえて二人に声をかけると二人は嬉しそうに顔をほころばす

な「やったぁっ！」

莉「ふわふわ、もふもふ！」

クマと手をつないでバンザイするなーくんと、おなかに顔をうずめてクマを堪能するりいくん

本当に彼らは成人しているのだろうか

金銭感覚だけでなく本当に成人しているのかも疑いたくなった

もふもふ。

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