おは朝の呪い�◆擒�】 ページ37
生徒会長の速水さんの計らいで
シャワーを浴びさせてもらい
予備で持ってきていたTシャッとハーパンに着替えた。
このまま、部活を休んで家に籠もればいいんじゃ…
と思いつく。
「そうだよ。素直に戻る必要なんかないじゃん」
こっそり部室のロッカーから鞄を取り
帰路につこうと体育館を背にした瞬間
サッカーボールが飛んできた。
あ、やば
「危ねっ、大丈夫か?」
笠松先輩が神に見える。
サッカーボールをしっかり取ってくれて
サッカー部に「気をつけろ」と一言いって返してた。
「笠松先輩ぃっ…」
「勝手に帰ろうとしたからだろ」
やっぱり鬼だった。
ズルズルと首根っこを引きづられながら
体育館へ連れていかれる。
「だって、猫耳なんて、屈辱すぎます」
「しょーがねーだろ。コレじゃあ部活になんねぇ」
そういう笠松先輩は、なんか楽しそうで
腹が立つ。
「さぁ!A!おいで!」
そう手を広げて待つ南はとっても嬉しそう。
なんなんだ、いったい。
スチャッとソレを頭に着けられて
「可愛いーっ!ほら!」
と、皆の方に向けられ、顔が熱くなったのがわかった。
「か、可愛いっす!!」
「可愛いすぎるAちゃん」
「似合うなA!」
黄瀬と森山先輩と早川先輩が目を輝かせてこちらに来る。
あぁ、なんという屈辱。
そして、南、傍らで連写するな。
「じゃ、私達のミッション終わったから!部活がんば!」
満足したのか、南は速水さんと校舎に戻っていった。
「なぁ、A、にゃんって言ってみ?」
中村先輩にニヤリと笑われ、かぁっと赤くなった気がした。
「馬鹿にしないでください!」
「みんな、あんまり揶揄っちゃダメだよ」
小堀先輩が優しすぎて抱き着いた。
「やっぱ私の味方は小堀先輩だけです。」
「エェッ?!いや、そんなことないから!」
なんだか小堀先輩があわあわと慌てている。
どうしたんだろと思ったら、襟元がまたもや引っ張られた。
「簡単に抱き着くんじゃねぇ」
笠松先輩がお怒りだった。
「今のAっち、本当に猫みたいっす!可愛い!」
ケラケラ黄瀬に笑われて、眉間に皺を寄せた。
「離してください」
「本物の猫のほうが可愛いげあるな」
なんて笠松先輩に嫌味を言われる。
すると、ピコンとまた通知音がなった。
『すまん、猫耳は獅子座のラッキーアイテムだった』
それと同時に何かが飛んでくる。
「いっ…いやぁぁぁぁっ!!」
「!!??」
思わず笠松先輩にぎゅうっと抱き着いた。
そう、それは私の大嫌いなアレ。
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作者名：chieko | 作成日時：2023年12月4日 23時
