邪魔なやつ【◯青峰】 ページ30
イライラする。
IH海常戦、そこで見たAは
しっかり海常のマネージャーになっていた。
イライラする。
アイツが俺を負かす為に黄瀬達に手を貸したこと。
あんな、しょーもねぇ事で、俺を止めれると思ったこと。
そもそも、俺を退場させようとしていたこと。
イライラする。
Aの名を呼び
Aの手を取り
Aを守るように俺に立ち塞がる、その先輩に。
「青峰くん、Aちゃんとなんかあった?」
帰り道、サツキが怪訝そうな顔をして聞いてきた。
「なんもねぇ」
誤魔化したのに、不満そうにする。
「嘘。そういう不貞腐れた感じの時は、Aちゃん絡みで何かあった時でしょ?」
お見通しで、舌打ちをした。
「海常の、4番が気に食わねぇだけだ」
そう呟けば、「あぁ、笠松さん」とその名を出された。
俺の勘だ。
Aは、笠松に好意がある。
その好意が恋愛の域には達してねぇが
あの雰囲気、虹村さんの時と似ている気がする。
「笠松さんが、どうかした?」
白々しく聞いてくるサツキにもイラッとした。
わかってるくせに。
「でもさ、Aちゃんが…バスケをまた楽しむようになってくれたのは、きーちゃんや笠松さん達のおかげなんじゃない?」
わかってる。
だから、余計に腹が立つ。
「そういえば、私大会始まる前に見ちゃったんだけどねー、今吉さんに声掛けられたAちゃんが、笠松さんの服掴みながら笠松さんの背中に隠れてたの。」
俺の眉間に皺が寄った。
「笠松さん、真っ赤になってて、Aちゃんは、無自覚に可愛いくてさー、でも笠松さんも満更じゃなさそうだったよ。」
皺がどんどん深くなる。
「Aちゃん、年上好きだもんね。」
なんだ、サツキは俺を怒らせたいのか。
思わず舌打ちをした。
「同じ高校だったら、あんな虫つかせねぇのに」
そう言えば、サツキは眉を下げて笑った。
「そうだね。」
ポンポンと俺を宥めるように
背中を撫でてきたと思ったら
その手がピタッと急に止まる。
「あ、そういえば海常、夏合宿あるみたいだよ。」
俺の眉間はまた皺を寄せた。
「なにか進展あったりして」
面白がってるサツキをよそに
俺の心中は穏やかじゃない。
万が一、恋愛的な何かがあったら
万が一、ラッキースケベ的な何かがあったら…
「おい、桐皇も同じ合宿先にしろよ」
サツキはドン引きしたような顔を向ける。
「できるわけないでしょ。」
くそ、やっぱ無理やりでも
同じ学校にさせれば良かった。
テツとタイガが遊びに来た【◯】→←久しぶりに会ったあの子【◯紫原】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chieko | 作成日時：2023年12月4日 23時
