同じ高校に来て欲しい【◆黄瀬】 ページ21
「げっ」
「あれ、Aっち?!どうしたんすかー?」
「なんでいんの最悪」
最近、モデル業が盛んで疲れてたから
保健室のベッドで寝かせてもらっていた。
適当に返事をしたから、理由は覚えていないけど
保健の先生はしばらく戻らない。
「いやー、俺最近お疲れなんすよねー」
「どーせ、モデルが、でしょ」
皮肉たっぷりに言いながら
Aっちは空いてるベッドに潜り込んで
カーテンを勢いよく閉めた。
「…Aっち、進路決めた?」
返事はない。
でも、寝てもいないと思う。
「俺、神奈川の海常高校に決めたっす。ユニフォームが青で、かっこいいんすよ」
「んな理由で決めんなよ」
お、話のってくれた。
ちょっと嬉しくなる。
「Aっちは?やっぱ黒子っちか青峰っちと一緒っすか?」
今度は沈黙。
てことは、結構迷ってるのかなーと思う。
「他、誰に誘われたんすか?」
「…多分、緑間と紫原に」
「うわ、モテモテっすねー」
「アンタも誘うつもり?」
見透かされてる。
思わず息を吐いた。
「開けていいっすか?」
「絶対、嫌」
顔を見て話したかったけど、あっさり断られた。
「ねぇ、Aっち、俺と一緒の海常にしない?」
即答で断られる覚悟はしていたのだが
意外にも、答えは沈黙だった。
「え?まさか、寝てないっすよね?!」
「うるさい、寝てる」
良かった、起きてた。
ホッと一安心したが、返事は貰えてない。
そもそも、他の皆にどう返事したのかもわからない。
「俺、Aっちと同じ学校で、同じバスケ部がいいっす」
「…なんで?」
「そりゃあ、Aっちが好きだから」
一世一代の告白は
「あっそ」
軽く流された。
「…俺とバスケしたら楽しいっすよ絶対」
「なにその自信。調子こいてるやつ私嫌い」
「確かに俺、最近バスケも結局こんなもんかーって思ってて…」
多分、今の発言は彼女をイラッとさせた。
「でも、Aっちに対しての思いは変わらない」
そう、初めて一緒にバスケをした日から
変わったことがない。
「俺、Aっちとバスケするの好きなんすよ」
理由はわからない。
単純に好きな子だからという理由ではない。
わくわくするんだ。
それは、青峰っち達とする時とは
また違う、気持ちで…
「たから…俺のことも、候補に入れて欲しいっす」
彼女の反応はカーテンで隠れていて全くわからない。
「それに、Aっちは青が似合うと思うっすよ」
彼女の好きな色を餌にしたけど
答えは返ってこなかった。
同じ高校に来るわけがない【◆赤司】→←一緒の高校だったら嬉しいな【◆紫原】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chieko | 作成日時：2023年12月4日 23時
