別れ道【◆】 ページ2
「私だけ別のクラス…」
「まぁ…俺とAは、しょうがねぇよな」
「Aちゃんと一緒のクラスが良かったなぁ…」
桜が舞う入学式
大好きな兄と幼なじみと
クラスが別れてしまい
入学早々ショックを受けていた。
「サツキ、男子には気をつけろよ。可愛いんだから。」
「Aちゃんは心配症だなぁ…大丈夫だよ。Aちゃんこそ一人だし気をつけないと…」
「バーカ、こいつが男に興味持たれるわけねぇだろ」
「そうなんだけど、大輝に言われるとムカつく」
そしてそれを晴らすように
入学早々大輝をボコボコにしてやった。
「じゃっ」
二人と別れ自分の教室へ行こうと背を向けたら
大輝に腕を取られたから
私は目が丸くなる。
「おいA」
「なんだよ大輝。寂しいの?」
ニヤリと笑えば、サツキもクスクス笑って
大輝はムスッとしていた。
「ちげぇよ。」
「じゃあなに?」
「…俺以外の男はあんま信用すんなよ」
そう言われて、私もサツキも吹き出す。
「どんだけ心配性だよ。つーかさっきと矛盾してるぞ」
「大ちゃんってば、本当はAちゃん大好きだもんね」
「うるせぇ!!バカにすんじゃねぇ!」
真っ赤な顔で怒っても
私とサツキには効くわけがない。
ケラケラ笑ってると、大輝はムスッとして
「俺もう行くからな」
とズカズカ自分の教室に向かっていった。
不貞腐れながらもサツキが言った
『Aちゃん大好きだもんね』ってとこは
否定しないんだから…
なんだかにやけてしまった。
「Aちゃん、顔…すごく緩んでるよ」
「え?あぁごめん、つい」
かという私も、大輝が大好きなのだ。
頬が緩むのは仕方がない。
「本当、Aちゃんと大ちゃんはニコイチだよね。当分離れなさそう。」
「離れるなんて考えたことない。」
ニカッと笑うと、サツキも綺麗な顔で笑った。
「ちゃんと私の場所も残してよね!」
「当たり前じゃん。私らの隣はサツキだけだよ。」
そう言い頭を撫でれば、嬉しそうに笑ってくれた。
このときは本当にそう思っていた。
私の隣は大輝で＿＿
それを見守ってくれるのがサツキ＿＿
一生崩れることはないと思っていた。
まさか、
大好きなバスケで崩れるなんて…
その時はこれっぽっちも思わず
私達は当たり前のようにバスケ部に入ったのだった。
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作者名：chieko | 作成日時：2023年12月4日 23時
