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主将だって甘えたい ページ18

「お疲れ様」
店に入ってきた笠松にAはにっこり笑う。
「…うす」
赤い目で気まずそうに挨拶をしてくる笠松にAは苦笑いした。

「とりあえず、座ったら?」
「…はい」

素直に笠松はそれに従い椅子に座ると、その隣にAが座った。

一瞬沈黙するが、笠松が一つ息を吐くと
「…桐皇に負けました」と呟く。
「ベスト8か…」
Aがそう言いポンポンと笠松の頭を撫でると、膝の上に置かれた拳がぎゅっと握られた。

そんな笠松の様子に、Aは優しく笑えば
「もう一回泣く?」
と笠松の顔を覗きこむ。
「…もう一回ってなんすか」
それに笠松は顔を赤くしつつムスッと言えば、Aは呆れたように笑った。

「どーせ、一人で泣いたんでしょ?」
「…キャプテンが泣いてらんねぇっすよ」

あまりにも彼らしい言葉にAは苦笑いする。

「じゃあなんでそんなに目が赤いのかなー?」
そう言い、またポンポンと笠松の頭を撫でていると、その手を掴まれた。

「あれ?怒った?」
眉間にシワを寄せる笠松にAが笑いながら聞く。

「からかってきたAさんが悪いですから…」

「え?なに…?」

Aがポカンとしてる間に掴まれた腕を引かれ笠松の胸の中にすっぽり収まってしまう。

「か、笠松くん…?」
ドキドキと聞こえてくる心臓の音と、男らしい身体に珍しくAも緊張してしまった。

「す、少しだけ…元気ください…。明日からは、また頑張るんで…」

真っ赤な顔で震えながら言う笠松に、Aは笑うと、その背中に手を回した。

「まったく…笠松くんは頑張りすぎなんだよ。」

「キャプテンっすから…」

それにAはクスクス笑った。

「うちの店じゃ、ただの笠松くんなんだから、そんな気張らなくていいんだよ。」

「ありがとう…Aさん」

そう言いながら離されると、真っ赤な顔の笠松と目が合ってAは笑う。

「大丈夫?」
「だ、だい、大丈夫っす!!」

思いっきり目を反らす笠松にAはニヤリと笑う。

「かわいーキャプテンだこと」
「う、うるさいっすよ…」
「あんま言うとシバかれちゃうかなー?」
「…まだそんな度胸ないっす」

赤い顔で眉間にシワを寄せる笠松に
Aはケラケラ笑うと彼の頭をクシャクシャ撫でるのだった。


--------------
(てか…まだってことは、いつかシバく気?)
(Aさん、と、とりあえず竹刀置いてください…)
(…まぁ、笠松くんになら一回くらいシバかれてもいいかな?)
(はぁ??!!)
(なーんちゃって)

奪われる→←唯一逆らえない人



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あきは - 初めまして!とても楽しくてキュンキュンしてます!更新大変かと思いますが、是非続きを読みたいです! (2019年1月10日 23時) (レス) id: 087715fee8 (このIDを非表示/違反報告)
chieko(プロフ) - Chikakoさん» おはようございます!コメントありがとうございます(*^^*) 嬉しいです(´;ω;`) 中々更新できずにすみません(ToT) 誰を書こうか迷走中です← 頑張ります!!ありがとうございます(*^^*) (2017年5月20日 11時) (レス) id: a95e3ff3e0 (このIDを非表示/違反報告)
Chikako(プロフ) - おはようございます!作品、楽しく見てます。更新、頑張って下さい!楽しみにしています! (2017年5月20日 10時) (レス) id: b1c9388361 (このIDを非表示/違反報告)
chieko(プロフ) - ツバキさん» ツバキ様!こちらも読んで頂いてありがとうございます(*^^*) こちらオールキャラ目指してます!楽しんで頂ければ幸いです( *;∀;) だいぶ亀更新になってるのでこちらも頑張ります!ありがとうございます\(^^)/ (2017年4月9日 20時) (レス) id: a95e3ff3e0 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - 拝見させていただきました!とても面白いですね!!ここでは、笠松だけでなくみんな可愛くてカッコいいですね!!こちらも更新頑張ってさい! (2017年4月9日 18時) (レス) id: 79a4cbf801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chieko | 作成日時:2017年3月12日 1時

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