Starky ページ8
「Aちゃん、マネージャーやらへん?」
にっこり笑う今吉の考えは読めねぇ。
「はぁ?お断りします」
あからさまな敵意を向けるAに
俺は内心ヒヤヒヤしている。
「毎日やあらへんよ。こーやって休みの時だけでもええし」
「私は海常高校のマネージャーです。なんで他所のOB、お世話しなきゃいけないんですか。」
おぉ、久しぶりに生意気なAを見た。
「ていうか、部活でもないし、マネージャーいります?サツキがいるのに慣れて甘えているだけじゃないですか?」
それに今吉がケラケラ笑った。
「ほんま、Aちゃんはおもろいなぁ。そういうとこは青峰に似とる。」
「あんたは、相変わらず、私を苛つかせるのが得意のようで」
Aがイライラしているのがわかる。
「おい、いいのかよ。アレほっといて。彼女だろ一応」
一応もなにも彼女なのだが。
宮地にも呆れながら言われるが
あぁなったAに下手に助け舟を出せば
こっちに飛び火する。
「まだ、大丈夫だろ」
そう言い、チラリとそちらを見れば
今吉がニコニコしていた。
「そもそも私は、笠松先輩を迎えに来ただけです!なんでいるんですか!?」
「ははーん、つまり、ワシらにヤキモチ妬いてるっちゅー話やな」
「違っ!頭悪すぎでしょ!」
いや、あんま大丈夫じゃないか。
完全に今吉のペースになってきている。
「今日は久しぶりのオフなんです!」
「こっちも大会前に全員集まれる貴重な時間でなぁ」
「だからって午前も午後もやる必要あります?」
「自分に置き換えたらどうや?Aちゃんが試合でる立場やったら、やるやろ?」
Aがグッと顔を顰める。
その反応、肯定してんだろ。
「でもな、笠松との時間を盗るんは申し訳ないな〜思うてるんやで。やから、その妥協案ちゅーわけや。マネージャーは。」
今吉がポンとAの肩に手を置いた。
「Aちゃんが応援してくれたら、笠松は嬉しい思うで?それとも、他の女の子呼ぼか?」
それにキッと睨みつけると
ドカッと今吉の脇腹を殴りつけていた。
「大会前だけですから」
怒りながらこちらに来るAに俺は冷汗が出る。
「A、本当にやんのか?」
「なんですか?私じゃない女の子が良かったんですか?」
ギロっと俺や宮地達まで睨みつけると
怒りながらドリンクホルダーを纏め出した。
「可愛えぇ彼女やなぁ、笠松」
脇腹を痛そうに抑えて今吉が言う。
こうして、Aは俺らのマネージャーになった。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月5日 11時
