海常祭 �� ページ14
「今回の演し物はー…」
「ピーターパン喫茶になりましたー!」
盛り上がるクラスメイトの声に顔を上げれば
ニヤニヤと私を見て黒板を指す南。
接客にしっかり私、南、黄瀬、田中の名前があった。
「Aはティンカーベル」
「去年よりパワーアップしてない?!」
「あ、ウェンディのがいいっすか?」
「どっちも嫌だよバカ!」
南に言われ、ツッコむと
黄瀬がウェンディを勧めてきたからシバいた。
「いやー、Aはティンクだよ。絶対。」
「まぁどっちも可愛いっすけどね。」
頭が痛い。
何故、私が寝ている間に…
「本当、学習しろよ」
田中が呆れたような表情で
こちらを見てきた。
「ちなみに俺がフック船長、南ちゃんがウェンディ、田中くんがピーターパンっす」
黄瀬が教えてきたが、そんなメルヘンお断りだ。
「嫌だ。私作る方にまわる。」
「ダメ!!今年も絶対優勝するんだから!」
「みて!この衣装!可愛いよ!」
南に見せられた衣装案に顔が引きつった。
超絶ミニスカ、キャミソール、おまけに羽
「露出やばっ」
「可愛いって絶対」
対してウェンディは水色ドレスに水色リボン
正直、まだマシだった。
「交換してよ」
「嫌。寝てるアンタが悪い。」
「私、髪青だし、似合わないよ」
「大丈夫、黄瀬が金髪ウィッグ用意するって」
黄瀬を睨みつければ、素知らぬ顔をしている。
「いや、俺だって嫌だぜ。ピーターパンって。黄瀬がやれよ」
田中が言えば、クラスメイト全員が
「いや、ピーターパンは確定だから」
と言い、私もそれは同意だった。
「身長的にアンタだよ」
「青峰っお前なぁっ!!」
ポンと肩を叩けば、泣きながら怒られた。
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「と、いうわけで、最悪ですよ。」
「お前、まだ寝てんのかよ」
Aがことの経緯を電話で話してきて
俺は溜息をついた。
「笠松先輩、来ます?金髪の私が見れますよ。」
なんて、巫山戯たことを言っている。
行くか、行かないかと聞かれれば行く。
でもな、話を聞く限りじゃ
その衣装だいぶ露出が高い。
はぁーっとまた溜息が出る。
「え、怒ってます?」
慌てたような声が聞こえた。
「そりゃ、彼女がそんな服着るって聞きゃ…」
ボソッと呟いたことは、勿論聞こえていて
「恥ずかしいですよね。すみません。」
と違う意味で謝ってきた。
コイツまだ無自覚か。
「他の奴に見せたくねぇ。」
正直に言ったのに
ですよね、と軽く流すAは
絶対意味をわかってないと思い、また溜息をついた。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月5日 11時
