もう少しそばにいさせて...taisuke... (ページ10)

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博美「大きいなー…」

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先輩の会社は

オフィス街の中でもひときわ目立つ

大きな会社だった

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受付で名前を伝えると

私より若いであろう可愛らしい女性が

ニコやかに中へ通してくれた

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勇気「お前、何その荷物」

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私を見るなり

開口一番の言葉がこれだった

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そりゃそうだ

朝より多い

あきらかにおかしな荷物を持って

こんなに綺麗なオフィスに来てるんだもの....

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博美「実は...」

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私はついさっき起きた出来事を

恥ずかしいながらも

ざっくりと説明した

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勇気「あははは!!
さすがだな
あはははは!!」

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先輩は私が話している最中から

待ってました!!

というような表情で

まるで楽しんでいるかのように

笑ってくれた

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今の私には

重い空気になるより

笑い話にしてくれる方がありがたい

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先輩に案内された場所は

今まで見てきたような

横並びパソコン机などではなくて

個人個人のデスクが十分に確保された

とてもスタイリッシュな場所だった

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博美「素敵....」

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あまりの環境の違いに

周りをきょろきょろしていると

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「そんなに珍しい？」

と

背後から声をかけられた

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「初めまして

勇気君の上司をしています

冴島と申します」

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勢いよく振り返った直後に

もう名刺は差し出されていて

挨拶を出遅れたことに

しくった…と思いながらも

丁寧に差し出された名刺を

ワクワクしながら受け取った

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勇気「こいつさっき仕事辞めてきたらしいっすよ」

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博美「ちょ...ちょっと!!先輩!!」

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先輩は何かを企むような

そんなしたり顔で笑いをこらえながら

美味しそうなコーヒーを注いでくれた

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冴島「ほんとに!?やるわねぇ」

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冴島さんの反応が気になったけど

先輩と同様

面白い話を聞いたかのように笑い飛ばしてくださった

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