紅覇side ページ19
仁々から、話してもらった。
Aは、僕が敵を倒し倒れたのを見て、僕に駆け寄ってきた。
けど、そのAには後ろが見えてなくて、最初に倒したと思っていた敵が生き残っていたらしく、Aの腹に深傷を負わせ力尽きたんだって。
かなり傷が深かったため、出血も多く気を失ってしまった。
それで、今、だ。
Aはまだ気を失ったまま。
紅覇「ごめん、一人にして…」
仁々「は、はい…部屋でしっかりと休んでいてください」
バタンッ
ドアが閉まる音だけが、部屋に響く。
紅覇「全部、僕のせいじゃん…僕のせいで…」
だんだん視界がぼやけていく。
紅覇「僕が倒れなければ…僕がAの言うことを聞いていれば…‼」
そうしてたらAは今も僕のそばにいてくれたのに。
涙をこらえることはできなくなっていた。
紅覇「A…」
Aが言っていた通り、2回も極大魔法を使わなければよかったんだ。
考えれば、他にも策はあったはずなのに。
もう前には戻れない。
やりきれない気持ちが僕を満たしていた。
僕のせいでこんなことになってしまったんだ。
紅覇「Aに謝らないと」
仁々には、部屋を出ないようにと言われたけど
僕は謝らないといけないんだ。
ベッドを降り、ドアまであるく。
ぜんぜん体に力が入らない…
ふらふらしているが、なんとか歩けてる。
多分、この時の僕は気力だけで歩いていたんだと思う。
気づくとAの部屋の前にいた。
ゆっくりとドアを開ける。
紅覇「A…」
ドアを開いた僕はの足は止まっていた。
紅覇「うそ…A?」
Aには、たくさんの管が繋がれていて、口にも機械が取り付けられている。
紅覇「A…A…」
少しずつAに近づいていく。
近づくごとに、気持ちも大きくなっていく。
目の前には、弱ったA。
紅覇「っ……
ごめん、A…」
今の僕には、それしか言えなかった。
泣きじゃくっていた僕は、いつからか眠っていて夢を見ていた。
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←紅覇side
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玉燐 | 作成日時:2016年2月7日 11時