十一話 ページ12
聞かない方がいいと思い、聞こえないように耳を手で塞いだ。
目をつぶらなかった為、ダンガの話を聞き目を見開いて驚いている社長が目にはいった。
顔を歪ませ、神妙な面持ちになった社長は少し考えたあと、溜息を一つついて口を開いた。
「お前はあの絵を、あの絵に描かれた樹を、知ってるんだな」
社長は確認するように俺に問う。
低い声で、でもそうだ、と信じたくないような声色は複雑な心情を表していた。
「嗚呼、俺の故郷にあったんでな」
「_ッ!」
二人の顔が更に歪む。まるで苦虫でもかみつぶしたように。
そして__
先程から、二人から発せられるこの尋常じゃない程の殺気に俺はどう応えればいいのだろうか。
「申し訳ないが<ヒーロー>、お前には、この島から出ていって貰おう。」
「...............は?」
え、は?こいつ、出て行けって言ったか?
「訳を聞いても?」
社長がそうだな、と説明しようとしたとき
「出て行けと言ったんだ!」
ダンガが遮った。
そちらを見ると青筋をたて、ダンガは鬼々迫る勢いでAを睨みつけていた。
人懐っこい笑顔はどこへやら、ダンガの瞳には憎悪の色で染まっている。でも_
「ダンガ、落ち着け。」
「これが落ち着いていられますか社長!こいつは<ヒーロー>なんかじゃなく、<悪魔>かもしれないんですよ!?」
<ヒーロー>の次は<悪魔>ねェ。俺の扱いが荒いな。
「へぇ、尚更訳を教えてもらわねぇと」
小さく笑って社長に問うがダンガがそれを許さない。
「黙れッ!お前なんぞに教える筋合いはねぇ!」
ダンガはデスクを握り閉めた拳で勢いよく殴りつける
やばいぞ、これは話が通じないパターンだっ★
「だから落ち着けと言っている!」
「ッ!.........す、いません、少し頭を冷やしてきます。」
社長の声に我に返ったダンガだが、まだ隠し切れていない感情を滲ませながら俺を一睨みして部屋を出て行った。
バタンと扉が勢いよく閉じられると、社長はもう一度溜息をつき、デスクの引きだしから出した煙草を蒸した。
「すまんな、アイツは悪いやつじゃないんだ」
「嗚呼、わかってる。どうやら訳ありらしいからな」
「さて、あの絵の話をしよう」
俺は何故<ヒーロー>から一転、何故<悪魔>と言われたのか、何故彼の瞳に__少しの悲哀が混じっていたのか。
どうやら全ては、あの桜の絵にあるようだ。
窓から見えた快晴は、まるで三人の思いを嘲笑うように美しく澄んでいた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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小さな虫(プロフ) - ルナさん» 読んでいただきありがとうございます!物語の進行上、ロシナンテに関してどうなるかは、後先考えずに書いているので、私にもわかりませんwですが、前向きに検討させていただきます!コメントありがとうございました! (2020年5月24日 1時) (レス) id: a1687602fd (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 小説読ませていただきました!面白かったです!原作崩壊にともない救済措置をするキャラクターにロシナンテを入れていただけたら嬉しいです! (2020年5月24日 1時) (レス) id: 0170e44a0f (このIDを非表示/違反報告)
小さな虫(プロフ) - Kanonさん» ありがとうございます!これからも頑張らせていただきます!設定、気に入っていただけたなら光栄です。kanonさんとは気が合いそうですね! (2018年9月8日 11時) (レス) id: 550c0109ec (このIDを非表示/違反報告)
Kanon(プロフ) - 題名見て面白いの確定、内容見て面白さが倍、自分が大好きな設定です! (2018年9月5日 18時) (レス) id: 08adac8b7f (このIDを非表示/違反報告)
小さな虫(プロフ) - レミさん» 有り難うございます!頑張ります! (2018年3月28日 21時) (レス) id: c5c31ad411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小さな虫 | 作成日時:2018年1月31日 18時