【あんスタ】俺の幼馴染みは腹黒王子【羽風薫】

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『おい凛月、準備はいいかァ？』


ニヤリと笑って問いかける。この前予告しておいた悪戯をすんだよ。
ま、可愛いものだけどなァ？



「本当はやりたくないんだけど……
特別だからねぇ？」



はぁ、とため息をつきつつこちらを睨んでくるので、幸せが逃げるとだけ言っておく。






「吐き出した瞬間に吸ってるからいいの」






上手いこといいやがる。
…とりあえず、今はこんなことを喋るために凛月といるんじゃねェ。ターゲットは五奇人。

全員で呑気に紅茶を啜ってるところへ奇襲だ。






『……じゃ、行くか』







その一言で動き出す。





あァ、堪んねェな。この感覚。







『んでさ、こんなの渡されたんだけど……ってあれ？』


「うげ………」





今気づいたような態度をとる。
凄くね？ 俺らの演技力。





………あー、やっぱ零が凛月の方に行くよなァ。ま、それは計算内だからいいんだけど。






「……あ、そうだA。さっきのやつあげたたら？」





凛月が抱きつかれながらこちらへ視線を送る。
頷き返すと作戦開始だ。

そう言うと、他の5人も何かとこっちを見てくる。そうそう、想定通りだ。




『あ〜。さっきユニ練用にジュース買ってってやったんだけどな……』





もうあんずが買ってきてた後でなァ、と言う。さも残念そうに。




『で、貰ってくれねェか？』





そう言うと、お人好しのコイツらはすぐに貰ってくれる。



……まァ、宗は疑って手を付けねェよなァ。
どちらにせよ辺り一面に広がるやつだから構わねェが。



とりあえず俺らに害がおよぶのは避けたいので、凛月と退散しておく。

アイツら、警戒心無さすぎだよなァ。俺がタダで差し入れするわけねェだろうが。









「うわァ！？ ちょっとコレ………」


「うう………『たいへん』です〜…」


「………………amazing☆……ですかねぇ…？」


「ノンッッ！！！！」









そう叫ぶ五奇人の声が聞こえる。
約1名は咳き込んでいるが。



その音を聞いて凛月と2人で顔を見合わせてにんまりと笑うと、垣根の隙間から覗き込む。


一年前、「最悪の悪戯コンビ」と呼ばれた俺と凛月だ。そりゃァ、生半可なモンで終わらせる気はねェよ？









ちなみにだが。


俺たちが仕掛けたのは、

･コーラ(開けたらメントスが落ちる仕掛け付き)
･トマト100%トマトジュース(パックの中にトマトを丸ごとつっこむ)
･アーモンドチョコの中身をドングリにする


くらいかなァ。

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