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クリスマスは俺の部活もありゃAにも予定が入ってしまい。夜に会うことになった。部活が終わり全速力で駆け出す。
青峰っちにめちゃくちゃ久しぶりに1on1を誘われたが軽く断った為、明日きっと色々言われるのだろう。小さくため息をついた。
走っていくと、Aの後ろ姿が見えて声をかける。
そうすると、嬉しそうに満面の笑みを浮かべて「涼太!」と明るい声を発する。
「部活終わったの?」
「終わったよ。行こ。」
頭のてっぺんからつま先までお洒落をしてきていて、いつもの2倍くらいかわいいものだから、彼女を直視できない。すると、不思議そうに背伸びをして俺の視界に入ってくる。
「ぼーっとしてない?大丈夫?」
「全然大丈夫ッスよ。ほら、イルミネーション行こう」
柔らかくて暖かいそんな手を、包み込む。冬は、どこか寂しくて、俺は冬が嫌いで。雪も、イルミネーションも、恋人たちも、馬鹿でかいクリスマスツリーも嫌いだったのに。
なんでッスかね。あんたといると、全部キラキラして見える。
「涼太。みて!綺麗だよ!」
俺の手を引いて、走っていくAを見て、胸がジーンと熱くなる。好きだ、好きだ、好きだ。お前の馬鹿みたいに明るい性格も、優しいところも、暖かいところも。
こんなにも好きなのに、こんなにも愛しているのに、この気持ちを伝えるのには勇気がいりすぎる。嬉しそうにイルミネーションを指さして笑う彼女を見て、なんだか泣きそうになった。
(これもきっと、冬のせい。)
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