* ページ3
・
スタンプで終わったトーク画面、いつからかかけなくなった電話。テレビの向こうにいる君は今日も元気にやっていますか。
*
「バスケの、道に進もうと思います」
今日みたいな寒い冬の日に真っ直ぐ前だけ見つめた瞳をされたら応援するしか無くなる。別に反対していたとかではないけれど、遠い存在になってしまいそうで寂しかった。
「頑張って、応援する!」
そう、強がって言ったはずなのに。涙が流れそうなのを必死に堪えて、悟られないようにした。
テツヤのいない冬は、こんなにも寒い。
「…会いたい」
ポツンと一人の部屋に哀れな声が響く。実際言葉にしてみると、気持ちが募っていく。会いたい、温もりに包まれたい。
ワガママな事だとは分かっているけれど、寂しいものは寂しくて会いたいものは会いたい。欲望に忠実な人間なのだから仕方がない。
「あ、決めた」
昨日録画した試合でテツヤがゴールを決めていた。相変わらず影が薄くて、バスケをやっている時は子供みたいに楽しそうだ。
試合があった次の日には必ず連絡を入れていたけれど、返信が来るのは日を少し置いてからだった。忙しいんだなって理由を勝手に付けたけれどそれはいつからか不安の要素になっていた。
・
11人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ