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「…ざけんな」

『だい、』

「俺はずっとAだけだったつーの」

『ぇ…、』


気づいた時には、私の頭は大輝の胸に押し付けられていた。

言葉の意味を理解した途端赤くなる顔。
視界がじわりと歪んだ。


『まっ、て…それって、どういう』

「どーもこーも、そのままの意味だよ」


体が離れて瞳を覗き込まれる。


「俺はAが好き」


刹那、熱を持った唇が私のそれに触れる。


「…わかったか」

『ん……、』

「だーもー、泣くなよ!」


ぽろぽろとこぼれる涙を大輝の綺麗な指が掬っていく。
するりと撫でる感覚がくすぐったい。


「ツリーも見たし、もう帰ろーぜ」

『…そだね、』


私がそう言って歩きだそうとすると再び顔を覗き込まれる。

「泣き止んだか?」なんて優しい声で聞いてくるから、きゅんと胸が鳴った。


「ん」

『ん?』

「手!さみぃからあっためろ」

『ふふ、はいはい』


差し出された手に私のを重ねるときゅっと握られて。

そのまま彼のアウターのポケットに収まった。



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作者名:夏鈴桃 x他5人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月21日 21時

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