ス ク ウ ェ ア .

#18 ページ18

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黄瀬



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｢Aっち！帰ろ！｣




｢俺もいんだからな｣





着替え終わって、体育館前で携帯をいじりなから待っていたAっちに声をかける。驚いた素振りをしながら手を振って駆けつけてくれた。





｢A、帰んぞ｣



｢うん｣



｢ちょ、ちょ！？あんたら二人付き合ってんすか！？｣





目の前で堂々と手を繋ぎ歩き出す二人に開いた口が塞がらない。付き合ってない男女がこんな…こんなことするのだろうか。





｢別に付き合ってねぇよ｣




｢手繋ぐのくらい普通だよ〜。黄瀬くんも、はい。｣






そう言って差し出された手を俺は取ることしか選ばなかった。






むしろ、他に選択肢なんてあるわけない。






｢Aっちの手冷たいっす〜｣



｢黄瀬くんの手はあったかいね｣






そう言って目を細めて優しく笑うものだから。
俺の手があったかいのは、Aっちと手を繋いでいるから。緊張してるからなんだよ。って伝えたい気持ちでいっぱいになった。









＿＿＿＿＿でも。









今伝えてもきっとAっちは喜んじゃくれない。








｢Aはいちいち冷え性なんだよ。｣




｢でも、大輝はあつがりでしょう？大輝がいるから。プラマイゼロだよ｣







平然とそんなことを言うものだから。
今までもこれからもずっと一緒にいると決めつけているようで。いや、確信しているようで。







初めて、二人と自分の心の距離を見せつけられた。

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