検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:75,667 hit

177話 ページ38

白石「……え」


A「あ、すみません…なんか気持ち悪いこと言いましたね…」



ついうっかり口を滑らせてしまった。何言ってんだ私…


私は苦笑いでごめんなさい。と呟いた


白石先輩を見ると、彼は大きく顔を逸らした


私は再度同じ質問をする



A「……白石先輩はどっちを取るんですか?



好きな人か、仲間か」



その事を聞くと、彼はその表情が見えなくなるほど逸らしていた顔にかかった髪を少しだけ揺らした


俯いた後、彼は顔を上げる


そして、何かが抜け落ちたような…覚悟を決めた表情でこういった



白石「……









やっぱり、俺には無理や」



彼は、笑顔でそう言った


何よりその笑顔は、今まで見た中のどの表情よりも彼らしく、美しかった


彼のクリーム色の髪がわずかな月光に照らされて、輝きを放っていた




白石「俺にはどちらかを取るなんて無理だったんや」




少し下がった眉は私が幾度も見てきた顔つきの何倍も凛としている


白石先輩は私の手を取った


割れ物を扱うように優しい手つきで私の両手を取り、息を吸った



白石「諦めるなんて…自分の気持ちを言わないで逃げるなんて…俺には出来ひん」



白石先輩は目を閉じ、優しく微笑む



白石「…四月一日さん」


A「はい…」



白石先輩は目を見開き、強く、言葉を放った






白石「俺、四月一日さんのことが好きなんや」







その言葉が私の耳に、脳に溶けた時


思考を停止していた脳が活動を始めた


好き…か…


彼の思いを聞きいれ、私は顔を上げる


私も、ちゃんと伝えなければいけない




A「白石先輩」


白石「なんや」


A「……先輩のお気持ち、凄く嬉しいです。先輩は、優しいし…気も使えて、面白くて…いい人だと思います…






でも…私は、先輩の気持ちには答えられません。ごめんなさい」

178話→←176話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
286人がお気に入り
設定タグ:テニプリ , 立海 , レズ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 牙龍Mueさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです!只今新作の方で一気に更新してるので次の更新までもう少しお待ちください! (2019年8月10日 15時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
牙龍Mue(プロフ) - 読んでハマって1からここまで読みました!次の更新楽しみにしています! (2019年8月10日 14時) (レス) id: 805b4b6942 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 四葉月さん» 応援のお言葉、ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!!こんな長い話を読んでいただけるなんて本当に感激です…まだ続きますのでお付き合い下さい!! (2019年7月27日 10時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
四葉月 - 更新楽しみにしています!1から読み進めあっという間に今に至ります!頑張ってくださいね! (2019年7月27日 2時) (レス) id: 3bb8824d05 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - チビなスズさん» ご指摘ありがとうございます!深夜に書いているので誤字が多く申し訳ございません。後で修正しておきます。応援のお言葉、とても嬉しいです!ありがとうございます!!まだ続きますのでお付き合い下さい (2019年7月24日 21時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ToaRin | 作成日時:2019年5月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。