６話 クレープの味 ページ7
「ほら、ちゃんと持って。落としたら殴るわよ」
『何でこんなことに……』
ここは人が賑わうショッピングモール。
おれの手には無数の買い物袋がぶらさがっている。おれの買ったものはプレゼント用の薔薇(誰にあげるかなど愚問である)ぐらいで、それ以外は全て彼女のものだった。
何でおれ達がここで買い物しているかというと、彼女の提案にある。
「私があんたの彼女のフリをして、焼きもち妬かせればいいんじゃない？」
そんな言葉を聞いて、カラ松さんが見かけるとも限らないし、本当に上手くいくのかと思いつつも承諾したのは、多分カラ松さんへの愛なんだろうなぁと思う。
そんなわけで町をぶらぶらしながら買い物してるのである。一見ただのパシリだと頭をよぎったけど、まあいいや。
多少は彼氏らしく振る舞おう。
「チョコバナナとイチゴのやつで。えっと代金……」
『お姉さん、おれが払うよ』
「えっ、ちょっと、何勝手に！」
クレープ屋で二つ買おうとしている彼女を押し退けて財布から言われた代金を取りだし払った。
店員のお姉さんはおれ達を微笑ましく見ているが、生憎付き合ってないし、何よりおれには好きな人がいるんだよなー。
諦めたのか、イチゴのクレープを頬張りながら素っ気なくお礼を言った。可愛げないなーもう。
「ほら、あんたも食べなさいよ、クレープ」
『…あれ、このチョコバナナっておれにくれるの？』
「何よ、太れっての？別にあんたのためってわけじゃないけど…ついでよ、ついで」
『ふぅん…ん、ありがとう』
そう言うとクレープにかじりついた。うん、うまい。いつかカラ松さんと来よう。おれはその光景を想像し、思わず口角が上がったのだった。
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サトー(プロフ) - ユラさん» ありがとうございます！続編は…気が向いたらその内書くかもしれませんね (2018年2月3日 0時) (
レス) id: 6beedd7056 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ - 面白かったです！番外編と言わず続編も作って欲しいです！！ (2018年1月30日 22時) (レス) id: 98acb8ec1f (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - katsura27さん» 完結しました！ありがとうございました！ (2017年10月7日 15時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
katsura27(プロフ) - 更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年10月7日 14時) (レス) id: 25171f0d20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サトー | 作成日時：2017年1月1日 11時
