アガペーな愛 *13 ページ14
「まーしぃ、ごめん…遅くなった」
ドアの開く音がして、その後に続いた声は
紛れもなく今私達の話題に上がっていた人物の声だった。
坂田さんは扉を入ってすぐ立ち止まりベッドの方へは近づいてこない
そんな坂田さんの様子を気にも止めず志麻さんは普通に話しかける。
「おぅ、報告お疲れ。うらたさん大丈夫だったか?」
「……それがな、怒られると思って行ったんやけど、目も合わせず書類捌きながら”そうかよ”ってただそれだけ。拍子抜けちゅーか、サッパリしすぎて逆に怖かったわ」
坂田さんは私が起きている事に気づいていないのか、志麻さんと普段通りに話している。
なんだか2人の会話を盗み聞きをしている様で申し訳なく感じたが、話の内容的に志麻さんがさっき話していたうらたさんという人から私の事でしばかれてたわけじゃないようでホッとした。
あからさまにホッとした私を横目で見た志麻さんは小さく笑う
「んじゃ、俺はここらでお暇しますかねぇ。」
目を細めて微笑みながら私を頭を一撫でし、
志麻さんはベッドから立ち上がる。
「え、まーしぃもう行くん?
その、まだここにおって…?俺、Aに合わす顔…無い…」
余程私と2人きりなのが気まずいのか志麻さんを引き止める坂田さんの声は慌てていて、最後の方はもうほとんど聞こえないくらい尻すぼみだった。
「ハァ?お前アホか、何で俺がお前とコイツの仲取り持たねーといけないんですかー?めんどくせぇ」
志麻さんは坂田さんの発言にため息をついた後、眉間に皺を寄せ本当に面倒くさそうに吐き捨てる。
何かを考えた素ぶりの後、一瞬私をチラッと見る。
”あぁ、でも”と前置きをして
「コイツにいい顔して俺がAを掻っ攫ってもいいってゆーなら取り持とうか?」
志麻さんは挑発的な顔で言い放ち、坂田さんがいる方向をジッと見据えた。
瞬間に部屋の空気感がピリッとしたものに変わる。
数秒の静寂の後、
「…ごめん、いくらまーしぃでもそれは嫌や。Aだけは譲れへん」
覚悟を決め、坂田さんはハッキリと自分の意思を口にした。
その様子に志麻さんはニヤリと笑い
こちらに目を向け私に呼びかける
「だそうですよ、お姫様」
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悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - 結月。さん» 暖かいコメントをありがとうございます。1章出たての頃から見てくださっているとのことですごく嬉しいです😭途中間が空いてしまったりもしましたがきちんと完結させるつもりなのでどうか3章も引き続き見てくださったら幸いです🙇♀️ (2023年2月7日 10時) (レス) @page46 id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - コメント失礼致します。2章完結おめでとうございます!!作品ができた当初からいつも更新を楽しみにしておりました。物語の展開もすごく面白くて、大好きな作品です。これからもとても楽しみです。陰ながら応援しております…!! (2023年2月7日 4時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - にやあ確定さん» 当作品初めてのコメントで、作者はとても感激しております!!!更新頻度の事、内容、楽曲の解釈共に褒めていただけてとても嬉しいです…!🥹決して短くない私の小説を読んでくださりありがとうございます。ぜひこれからもお付き合い頂けると幸いです! (2022年12月14日 8時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
にやあ確定 - コメント失礼いたします◎更新頻度が高い上に物語の内容にとても惹かれました...😽何より作者様の楽曲への解釈がとても素敵です‼✨素敵すぎる悪魔執事を書いてくださり有り難うございます😈✨ (2022年12月12日 22時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠永 | 作成日時:2022年11月24日 11時