Ｉ wish to be your only one …エピ１

佳き日のその後…２０ ページ20

「たい…っ」
「仕事、頑張ってみるといい…今しか出来ないコト、オマエなりに一生懸命やればいい…その中で、もしツラくてどうしようもなくなったら、オレんトコ逃げてこい…オマエの帰る家は、いつだってココにある…」

優しい眼差しと一緒に、抱き締められるオレのカラダ…太輔の腕の中は、いつだって優しくて、いい香りがして、オレをあったかくで包んでくれる…ココがオレの帰る家…

「ありがと…ッ」
「うん…オマエはオレの家族だ…忘れんな…」
「…たい……っ」
「愛してるよ…オレの可愛いヨメさん」
「バカ、ヨメじゃね……ッ」


重なる唇…そのまま太輔のカラダごとベッドに沈む……

「…昨日の続き…しよっか…」
下から見る太輔のイタズラっぽいカオ…可愛くて…思わず笑ってしまう…
「…今日は途中下車無しな…」
「じゃ、ずっと乗っとく？オレの上？」
「バ、バカじゃねーの！」
「バッカでーす…オマエに関してはね！」

クスクス笑いながら始まる、オレ達の甘い時間…

繋がるカラダ…心…
肌が触れあうことでわかる、お互いの愛の深さ…
ギュッと抱き締め合って…名前を呼び合って…
何度もその瞬間を、一緒に迎える…
愛されてるコト…愛してるコト…全身で感じあえる…それは、ステキな仲直り…

幸せで幸せで…


「なぁ…このリングって何をデザインしてんの？」
…行為の後の、緩い時間…ベッドの中でオレにぴったりくっついてる宏光が、それぞれの手にはめてるリングを見ながら聞いてきた…

「ん、イニシャル…オレのはＨで、オマエのはＴ…崩してるからパッと見、わかんねーよな…コレさ、もう一つ細工してあってさ…」
「え？」
「…こうすると……な！」
「わ、すげぇ！」

薬指通しをくっ付けると、文字から出たラインが一本に繋がるようになっていた…

「離れてても、ずっと一緒ってイミ込めてんだ…すげーだろ！ホメて！」
「うん、すげぇ！でも、その返しウザい！」
「えぇ！、ちぇ、なんだよぉ」

むぅ…ってしてる太輔、こゆとこ子どもなんだよなー…笑える……

…明日、帰国…だよな…

「太輔…」
「ん？」

ふと、寂しくなってオレは太輔のカラダにくっついた…

「どした？…寂しくなった？」
「…」
「またすぐ帰ってくるよ…」
「うん…」

離れてた１０年より、これから会えない数ヶ月の方が、何だかもっと寂しい気がした…

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