l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…３２ ページ34

｢…太輔、オレさ収入とかそんなの全く気になんないけど、今の仕事やめるって…オマエあんなに今の仕事にプライド持って頑張ってたのに…なあ、オマエ部所でなんかあったのか？｣

そう尋ねると、太輔はちょっとオレから目を逸らして、オレを避けるように立ち上がった


｢ゴメンな、変なコト言ったな…忘れて今の…｣

そのまま、寝室ではなく一応仕事に必要なモノを置いてる書斎みたいな部屋に入ってしまった…


なんとなく、その背中はオレを拒否してる様に見えて、後を追うことも出来ない…


こんな太輔を見るのは初めてで…ディビッドの時とも違う厳しい雰囲気…

楽しいはずだった休暇は、少しだけ違う色を帯びたような気がした…


それでも晩メシに呼びに行くと、もう、いつもの太輔に戻ってて、ヒカルの世話をしながらオレの隣で楽しそうに公園での話をしていた

書斎に篭って何してんのかと思ってたけど、どうやら今日撮った画像をプリントアウトしてたみたいで、可愛く画像処理されたヒカルが何枚もあって、オレと太輔はそれ見て

｢コッチが可愛い｣とか｢これも可愛い｣とか、スゲェバカ親に成り下がっていた


さっきのコトは、また太輔がなにか言ってくれるまで、オレからは聞かないコトにした…多分、太輔もそうして欲しいと思ってる…


何があっても、オレ達は離れない…何も変わらない…ソレは太輔と一緒に作ってきた時間がオレに与えてくれた自信と誇りだった…


それから２日ほど、何事も無く穏やかな日々が
過ぎた…

サラのからの定期連絡で、明後日にはアメリカに帰ってくると言うコトだった


ヒカルといられんのもあと少しか…


ヒカルの世話にも慣れて、少しの時間なら太輔がいなくても、ヒカルと2人で過ごせるようになっていた…オレを見ると笑って、抱っこをせがむように手を伸ばしてくるヒカル…

太輔に感じる《愛しい》とは違う《愛おしさ》が、ヒカルに触れてるとムクムクて湧いてくる…


太輔に話すと、オレもそう！って笑ってた


とりあえずサラ帰ってくるまで、ヒカルのコトはオレ達が頑張らなきゃ！


とは言え、｢たまにはオレも構ってくれよ！｣って、太輔はオレがヒカルの世話ばかりしてると、後ろから抱きしめてきたり、不意打ちのキスしてきたり…ヒカルの昼寝の時、ほぼ襲われるし…ま、ソレはいいんだけど(笑)



あんま相手しないと、なーんか拗ねモードに陥る…ホント世の中のホンモノの奥さんて大変なんだな…と思う…マジで…

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