59.イプシロン(3) ページ9
「敵ながらにいいシュートを打つ。気に入ったぞ」
「......褒めてくれてありがとよ」
デザームからの賞賛に吹雪はぶっきらぼうに返した。
「お前達は我がエイリア学園にとって大きな価値がある。残り2分20秒......存分に戦ってもらおう」
デザームが前線へ投げたボールは次々とイプシロンのメンバーに繋がっていく。
カットを狙うも、ジェミニストームとは段違いのスピードに翻弄され、ボールに触ることすらできない。
やがてボールはゴール前のゼルに渡った。
「ガニメデプロトン！」
放たれた必殺技に、円堂はゴッドハンドの態勢に入るが、
「間に合わん！」
「クソッ！熱血パンチ！」
慌てて熱血パンチを繰り出したが威力負けをしてしまい、シュートは円堂ごとゴールに突き刺さる。
イプシロンに先制点が入った。
「開始より1分。残り2分、更に楽しませてもらおうか......」
「......やるっきゃないか......！」
Aはゴール前のデザームを見据えて立ち上がった。
そんなAの様子を漫遊寺中の校舎の陰で見ている赤髪の少年には、誰も気づかなかった。
イプシロンの猛襲に、雷門イレブンの体力はじわじわと削られていく。
ボールを避け続ける木暮以外は、既に満身創痍に近い状態だった。
「(......あれ？)」
その中でAは目を見開いた。
「(見える......)」
イプシロンの動きのひとつひとつが。
すばやくパス回しをされるボールの輪郭までくっきりと。
そしてゼルからマキュアにパスが出された時、
「ッ！そこだっ！！」
Aはそのパスをカットしたのだ。
「「「「！？」」」」
「何！？」
パスカットをされたことにゼルとマキュアはもちろん、円堂達もデザームも驚いた。
「まだまだ！」
ボールを奪ったAは高く飛び上がると、必殺技の態勢に入った。
「ネイチャーカプリチオ！」
緑の光を帯びた木の葉と風の乱舞が、凄まじい勢いでデザームの守るゴールを目掛けて飛んでいく。
デザームは片手を突き出してシュートを受け止める。
しかし......、
「ッ！？」
シュートの勢いが想像を超えるものだったらしく、少々押され気味になった。
デザームはこのままでは決められると判断したのか、降ろしていた左手を添える。
Aのシュートは摩擦の煙を残して静まった。
「デザーム様が......両手を使った.....？」
ゼルが呆然と呟いた。
「チッ！もうちょいだったのに......！」
Aは舌打ちして悔しがる。
デザームはグローブを見て微動だにしない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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女アスパラ - すごく面白いです‼‼‼‼つずきまってます (10月22日 20時) (
レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
麗乃(プロフ) - 面白くて続きが気になります。更新待ってます‼ (2022年4月10日 13時) (レス) id: f8afe95a72 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます！ (2020年11月22日 16時) (レス) id: eec8bbc77e (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 妖怪ウォッチの作品共々更新再開お願いします｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2020年7月19日 0時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 此方の作品も更新お願いします。 (2020年5月3日 3時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AZUSA | 作成日時：2017年12月4日 23時
