よく言うよ、そんな綺麗事【赤司征十郎】

・Lie...08 ページ8

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ｻﾞｱｧ…_____


「はい、授業はここまで！号令」


「起立、礼。ありがとうございました」

『ありがとうございました』



ついには、眺めていた空が雨になっていった。



…このまんまじゃ、部活休みかな。


陸上部の私はグラウンドが使えなければ何もできない。

もうすぐ夏で、最後の大会だから毎日できればしたいんだけど。

後で、顧問に聞かなきゃな。









“陸上”

…こんな私でも好きなもの。
部活は好きなことができる時間。





楽しい思える唯一の時。



まだ、走りたい。
高校でも、しようかな…








＊






「じゃ、気をつけて帰ってね」

先生の声でガタガタ、ざわざわと動き出すみんな。

雨は止む気配がない。



「疲れた」

小さく呟き机に顔を伏せた。


やば…。
帰る気力もないかも。


…って言っても1時間授業をしただけだけど。



「今日遊ぼうぜ」
「いいよ、どこで遊ぶ？」


友達やら彼氏、彼女との会話が聞こえてくる。



放課後、遊ぶってこと最近全然ないかも。

ほとんど、部活だしクラスにはいないし…



ぼんやりと、どうでもいい事を考える。





「マジバよろうよー‼」
「そうだね！行こ行こ」



聞こうとも思わない会話がやっぱり耳に入ってくる。




「ねぇ聞いて！」
「どうしたの？」
「あの…、この…えね」
「…んう…」



ぼやけていく視界と音。








いつしか、その視界は暗くなり
音は次第に消えていった。




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