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・Lie...37 ページ37

桃井side




「え… ⁇」



『じゃあ、辞める?』


そう言ったAちゃんの目には、


辞めるか辞めないか


その2つしかない。




そうだ。

どっちかしかないの。



辛くて逃げるか、辛くても立ち向かうか。







そんなの……、


「そんなの…っ、決まってるよ」

「そ。なら決まってる方を、貫きなよ」




ずっと、見ていたい。

大好きなバスケ。

大好きなみんなのバスケを。



みんなのために、少しでも役立ちたい。


「Aちゃん、ありがとう」


涙を拭い笑顔を作る。



「別に」

「なんか……スッキリした」

「へぇ、それは良かった」



もう大丈夫。

何があっても気持ちは曲がらない。


心に誓うとともに風が吹いた。


ガサッ


「…っ‼」

「あ、本が落ちちゃった……Aちゃん?」


目を見開いて止まったAちゃん。


「大丈夫⁈どうしたの⁇」


微かに手は震えていた。


「…っ、ごめ」

「う、ううん。大丈夫だけど…」



きっと何かあったんだ。



「じゃ、行こう」

「ま、待って‼」

「…何」



なんていうか…

「顔色、悪いよ… ⁇」



「大丈夫」

「大丈夫じゃないよ…!」



手が震えるなんて、おかしい。

よっぽどのことがある限り。



「…っ私、何か出来ることあったらしたい。
だから、どうしたのか教えて欲しい…な」


Aちゃんに、教えてもらった。
気づかしてくれた。

上手く言えないんだけど恩返ししたいの。


「…そうだね、」



.
.
.





その後、昨日Aちゃんがあったことを聞いた。




ガサッという音が昨日あった音に似ていて、恐怖心を思い出し震えてしまったらしい。




だんだんと震えが増してきたけど最後まで言ってくれた。



そんな恐怖、味わったことがないけど聞く連れに鳥肌が立つ。



女の子だからわかる恐怖。

知らない男の人に触られるなんて絶対に嫌。



私より、よっぽど辛かったんだね。



「話してくれて、ありがとう」

「…ごめん」



どこか引きつった苦笑いのAちゃんだけど、初めて見た笑った顔。

笑っていうのかよくわからないけど…


話してくれたこと、嬉しかった。


私を助けてくれたことなんて、もっと嬉しかったよ。

本当に感謝しきれない。


私は絶対貫くって決めたから。
絶対辞めないから。


だから…、




もう大丈夫。

私も、Aちゃんも。



私はギュッとAちゃんの手を握った。


.

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かのん(プロフ) - はにゃにゃさん» あわわわわわ!!感動なんて…とっても嬉しいです!はい、最近全然書けてませんが気長になってもらえるととても嬉しいです^^最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2015年7月10日 22時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
はにゃにゃ - とっても感動しました!赤司様がカッコよすぎて…気づいたら泣いてました(本当です)これからも他の作品、頑張って下さい! (2015年7月10日 20時) (レス) id: f5f47fce80 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - マリィさん» ありがとうなのだよ!です^^/// (2015年4月3日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
マリィ - 泣けるのだよ(キリッ (2015年4月3日 16時) (レス) id: 722c74a1be (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 黒蝶さん» わわわ!最後まで見ていただきありがとうございました^^そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです//わかりやすく伝わっていればいいな、と思います><本当にありがとうございました! (2015年4月2日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2014年11月23日 15時

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