広くて窮屈な部屋 ページ19
夜が明けた。
朝五時に大きな高級車と執事さんが現れ、ある大きな豪邸に案内された。
見るからに高級なソファー、テーブル、そしてシャンデリア。まるでどこかのお城のようだ。
執「では、お嬢様。お部屋へ案内致します」
メイド「ご家族の方はこちらへ」
私は執事さんに案内されて、豪邸の奥へと連れていかれた。
執「ここがお嬢様のお部屋になります。万が一お嬢様を連れ去った輩が来ても平気なように、お嬢様のお部屋は厳重に警備されています。何かあれば、このボタンを押してください。すぐに駆けつけますので」
それだけ言うと、執事さんは部屋から出て行った。ドアが閉まると、ガチャリと鍵の閉まる音が聞こえ、執事さんの足音が響き、やがて何も聞こえなくなった。
改めて部屋を見渡す。一人で使うには広すぎる部屋。
赤と金色の絨毯と大きなソファー。大きなテーブルの上には、白い花瓶に入れられた赤い薔薇。
机の上には、すずらんのような形をした電気スタンド。部屋の壁に沿うように並べられた大きな本棚には、とても読み切れない程の大量の本がきっちりと並べられている。
そして、部屋の至るところにカメラがあり、そのレンズは私をじっと見ている。監視する気なのか。
この部屋を見ていて気づいたこと。それは……
音羽 「……窓が無い」
こんなにも広い部屋なのに、窓が一つもないのだ。
高い天井に吊るされたシャンデリアの光で部屋は明るいが、外のが無いと、どんなに広い部屋でも、窮屈に思えた。
音羽 「……」
自分吐息と、私の動きに合わせて動く監視カメラのレンズの音しか聞こえないこの部屋で、私はうずくまった。
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ノンノン(プロフ) - サクラさん» 最近忙しくて更新できてないですね、すみません!いろいろ落ち着いたら頑張ります!! (2017年6月6日 22時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます! (2017年6月6日 20時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン(プロフ) - 松香さん» ですよねw自分で書いてて何だこいつって思いました← 面白いと思ってくれる作品を作れて嬉しいです!頑張りますね!! (2017年6月5日 23時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
松香 - ロリコン執事...結構危ないですね...笑笑。ノンノンさんの作品は面白くて楽しみにしてます!これからも頑張ってください!! (2017年6月5日 22時) (レス) id: 3a7236ae3b (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン(プロフ) - 全松ガールさん» ありがとうございます!弱々しいおそ兄って何かいいですよね← 応援ありがとうございます!! (2017年5月17日 20時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノンノン | 作成日時:2017年1月20日 18時