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第19話【約束】 ページ21

人とは儚い物。

失っては2度と戻らない。

それは、妖怪も同じ。

死んでその人のまま戻る訳では無い。

妖怪が死ねば生ある者に、

人間が死ねば霊に。

だけど、誰しも……大切な人を失いたくは無い。

──────────────────────────

──キュゥべえ。

隣をみると、すぐ側にいた。

キュゥべえ『魔女は、魔法少女でしか倒せない、いくら君達妖怪だからって……無敵じゃないんだから。』

キュゥべえ『死ぬ時は死ぬ……そうでしょ？』


可愛い顔をして言った。



気が付けば、朱雀は傷だらけになっていた。

それでも、剣を持って立ち向かおうとしている。



キュゥべえ『無駄って言ったじゃないか、何故そうやって……この子を守るんだい？』


……守…る…。


今思い返せば…私、守られてばっかりだ…。

だったら、守りたい…。


ッ!？


A(幼少)『………駄目、だよ…(ﾎﾞｿｯ』

守りたいんだったら、魔法少女になる。

それは、絶対に駄目なんだよ…？

なのに、何で…ッ…。


“あの時”、約束したのに……。

2年前…つまりは、私と朱雀が初めて会って話した時。

自己紹介をした後、約束をした。

〜2年前の回想〜

A(幼少)『…よろしく、ね…！』

朱雀『嗚呼。』

A(幼少)『……。』

朱雀『……？』

A(幼少)『……。』

朱雀『……恐れるのなら、ならなければ良いだけだろう？』

A(幼少)『…え……？』

朱雀『…魔法少女とやらに。』

A(幼少)『そ、う…だけど……。』

朱雀『……ならば、こうしよう。』

朱雀『──“約束”だ。』

A(幼少)『やく、そく…。』

朱雀『…[魔法少女にならない]……これは、我が其方に対して願う事でもあり、其方も願う事だ。』

朱雀『……どうだ？』


A(幼少)『ッ……うん！約束…！』

〜2年前の回想終了〜

だから、絶対に……なっちゃ、駄目なんだ…！


朱雀『…つッ……。』


私は回想をやめ、今の状況を見た。


今の状況は…最悪だった。


朱雀が深い傷を負っていた。

多分あれは、致命傷……。


なのに、立ち上がって、魔女に立ち向かって…。

これ以上、持たない筈なのに…。

第20話【約束を破ってしまう言葉】→←第18話【無駄だよ】

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