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対バン当日。
「なんかこういうとこ初めてきた」
隣に立つ大吾さんは興味深そうに薄暗いライブハウスの中や、ステージを見渡している。
いい感じの場所を確保できたと思うけれど、わたしは楽しみと緊張で変な汗が出そう。
「なんでAが緊張してんの」
「だってこういうところ、正門さんも初めてですし、ほかのお客さんも盛り上がってくれたらいいですけど」
「大丈夫やろ。正門意外と度胸あるから」
大吾さんはわたしの背中をぽんぽんとたたく。
大吾さんの言う通り、正門さんの演奏は本当にいつも通りかそれ以上の出来栄えだった。
いつもより高いステージの上で、いつものギターから紡がれる正門さんの音。
お客さんの反応もよくてほっと安心する。
この時間を愛おしむように優しい表情でマイクの前に立つ正門さんは、たぶん世界の誰よりもかっこいい。
金髪の前髪に汗が滲んで、振り払うようにこっちを見た正門さんと目が合う。
おめでとう。
そう、心の中で呟く。
にっこり微笑む正門さんに、
涙が出そうになる。
大きな拍手と歓声に包まれて正門さんの初ステージは幕を閉じた。
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みぃ - N.Dormitory から読んでました！面白かったです！ (2019年9月6日 22時) (
レス) id: 5f0045d6aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年4月7日 21時
